宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年4月26日(日本時間・以下同様)、先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」を搭載した「H3」ロケット3号機の打ち上げを早ければ2024年6月30日に実施すると発表しました。【最終更新:2024年4月26日10時台】

【▲ 種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられたH3ロケット試験機2号機(Credit: JAXA)】【▲ 種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられたH3ロケット試験機2号機(Credit: JAXA)】

H3ロケットは従来の主力ロケット「H-IIA」の後継機としてJAXAと三菱重工業が開発した日本の新型ロケットです。先進光学衛星「だいち3号(ALOS-3)」を搭載した試験機1号機による初飛行は2023年3月7日に実施されたものの、2段目エンジンに点火できず打ち上げに失敗。対策を施した試験機2号機はロケット性能確認用ペイロードと小型副衛星2機を搭載して2024年2月17日に打ち上げられ、小型副衛星の軌道投入と主衛星分離機構の試験に成功しました。

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JAXAによると、H3ロケット3号機の打ち上げは早ければ2024年6月30日12時6分42秒〜12時19分34秒の時間帯に実施されます。予備期間は2024年7月1日〜同年7月31日です。なお、機体の形態は2機の試験機と同じ「H3-22S」となります(※1段目にエンジンを2基搭載、固体燃料ロケットブースターを2基装着、ペイロードを保護するフェアリングはショート形態)。

【▲ 三菱電機鎌倉製作所で公開された先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」。2024年3月11日撮影(Credit: sorae編集部)】【▲ 三菱電機鎌倉製作所で公開された先進レーダ衛星「だいち4号(ALOS-4)」。2024年3月11日撮影(Credit: sorae編集部)】

3号機のペイロードは先進レーダ衛星「だいち4号」です。「だいち4号」は2014年5月に打ち上げられた陸域観測技術衛星2号「だいち2号(ALOS-2)」の後継機として開発されたJAXAの地球観測衛星で、「だいち2号」から能力が向上したLバンド合成開口レーダー(SAR)などが搭載されています。「だいち4号」について詳しくは衛星公開時の関連記事をご覧下さい。

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Source

JAXA – H3ロケット試験機2号機の打上げについて

文・編集/sorae編集部