NODA・MAPは第27回公演『正三角関係』(作・演出:野田秀樹)を、2024年7月11日(木)〜8月25日(日)、東京芸術劇場プレイハウスにて上演する。野田秀樹の最新作となる同作品は、さらに北九州、大阪、ロンドンでも公演が行なわれる。

今回最大の注目は、松本潤、長澤まさみ、永山瑛太の三人による舞台初競演が実現することだ。20年前に野田秀樹と出会って以来、数多くのワークショップに参加して来た松本潤は、このほど満を持してのNODA・MAP初登場となる。そして、『THE BEE』(21年)で暴力に屈していく様を儚くも美しく演じ観客を魅了した長澤まさみ。さらに、『MIWA』(13年)、『逆鱗』(16年)で清冽で鮮烈なインパクトを残し、近年も表現するたびに新鮮で目覚ましい活躍を見せて来た永山瑛太。「この作品のために生まれてきた三人」と野田が賞する彼らを中心に描かれる物語とは?

それは、19世紀ロシア文学を代表するドストエフスキーの最高傑作『カラマーゾフの兄弟』を入口として野田が新たに創り出す「日本のとある場所のとある時代の花火師の家族」=「唐松族(からまつぞく)の兄弟」の物語とのこと。その兄弟を演じるのが松本・長澤・永山の三人なのだ。松本が長男の花火師を、永山が次男の物理学者を、長澤が三男(!)の聖職者を、さらに、三兄弟の父親を竹中直人が演じる。

NODA・MAPは新作公演において、初見の観客に新鮮な観劇体験をしてもらうよう、幕が開くまで物語の全貌は明かさないのが常。しかし「松本は心が荒廃した花火師、長澤は性格的にも真反対の“男役”と“女役”の二役を演じ分け、永山は神をも恐れぬ不敵なインテリと、三人いずれも新鮮な役どころである」といった、断片情報だけは伝わってきている。

■松本潤 コメント


僕としては13年ぶりの舞台出演となります。名だたる俳優の方々との共演ということで大きな挑戦になりますが、一生懸命食らいついて、できる限りの稽古を重ねて初日を迎えたいと思います。これまでの自分を越えていけるよう試行錯認していきながら、より野田さんの世界観のなかで描かれるキャラクターに近づけるように演じていく。野田さんだからこそできるソリッドさを体現できたら、すごく面白い作品になる気がしています。準備できることをしっかりして、自分も頑張りたいと思います。

■長澤まさみ コメント


ワークショップに参加して、みんなで考えながら、それぞれがその場にいる。置いてきぼりが一人もいない感じが野田さんの現場の良い所で、すごく楽しいです。大丈夫かなと心配になる所もありますが、あっという間に演じてしまっているかも、と期待する自分がいたりします。舞台はお客さんも出演者のひとり。その場を共有した同志のひとりとして、一緒に楽しい舞台を作っていけたらと思います。ぜひ劇場に足をお運びください。

■永山瑛太 コメント


舞台、芝居の面白みを初めて肌で感じたのは野田秀樹さんとの出会いでした。己の貧弱さを見つめ直す時期にきた今、NODA・MAP の大冒険は私をまた別次元へと連れていってくれる絶好のチャンスだと確信しています。共演者も曲者揃い。演るしかない。ぜひ劇場で、生で、思いっきり楽しんでください。

さらに本作には、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重 という、いずれも近年のNODA・MAP作品で圧倒的な存在感を放ってきた役者達が勢揃い。毎回、何役を演じるのか注目が集まる野田秀樹も舞台に立つ。ここにNODA・MAPを語る上で欠かせない変幻自在な17名の精鋭アンサンブルキャストが合流。総勢25名のキャストがめくるめく野田ワールドを展開する。

NODA・MAP第27回公演『正三角関係』メインキャスト

NODA・MAP第27回公演『正三角関係』メインキャスト

なお、今回は日本三都市に加え、英国はロンドンでの公演も行なわれる(2024年10月31日〜 11月2日 サドラーズ・ウェルズ劇場)。英語タイトルは『Love in Action』。従来、日本から海外へ舞台作品を持っていく場合は「再演」のもの、すでに出来上がった作品を持っていくのが通例。しかし今回は「新作」をロンドンへ持っていく。この「挑戦的な海外公演」に対する現地の反応も大いに気になるところだ。

■野田秀樹 直筆コメント

NODA・MAP第27回公演『正三角関係』野田秀樹直筆コメント

NODA・MAP第27回公演『正三角関係』野田秀樹直筆コメント