J1ス新潟は、アウェーでJ2いわきを2―0で下し、3回戦に進んだ。前半6分にDF長谷川巧(25)のゴールで先制。試合終了間際にはFW谷口海斗(28)が加点した。攻め込まれる場面が多かったが、若手とベテランがしっかりと役割をこなし、粘り強く戦った。3回戦は5月22日に湘南とJ2秋田の勝者と戦う。

 リーグ戦前節の札幌戦から先発全員を入れ替えた。特別指定選手の東洋大4年のDF稲村、大卒新人のDF森が公式戦初出場。若手が勢いをもたらした中で、最初の好機をものにした。前半6分、森のCKのこぼれ球を長谷川巧が「そのコースしか空いていない感じがした」と、狙いすました右足インサイドのシュートでネットを揺らした。

 しかしその後はピンチの連続。前半20分過ぎからのCK、FKは守備陣がブロック。後半は相手の圧力に苦しみ、決定機もつくられた。それでもチーム最年長のDF千葉やFW鈴木らベテランが「最後にやられなければ大丈夫」と声をかけ、引き締めた。「経験ある選手が声かけしてくれて、チーム全体で共通認識ができた」と長谷川巧は感謝する。

 J2チーム相手に押されはしたが、チームとして約1カ月ぶりの公式戦の勝利は収穫だ。松橋監督も「最終的に2点を取って失点ゼロで終えたのは、ポジティブに捉えている」と評価した。

 加えて、若手には自信を得るきっかけにもなった。「千葉さんが安心するような言葉をかけ続けてくれたので焦ることなくやれた。もっと上にいきたいという気持ちが高まった。スタートラインに立てたのでここからが勝負」とフル出場した稲村。チームとしても個人としても、この先につながる結果にする。(西巻 賢介)