柔道の00年シドニー五輪男子100キロ級金メダリストで、パリ五輪で日本選手団の副団長を務める井上康生氏(45)が18日、東海大湘南キャンパスでフランス柔道連盟の指導資格を持つコーチ27人に練習法を指導した。

 フランス柔道連盟のコーチ研修の一環として実現。21年東京五輪で男子日本代表監督を務めて7階級中5階級で金メダルに導いた井上氏は「教えすぎてフランスの選手が強くなりすぎると困るので、日本の選手には使わないで下さい」と冗談を交えながら得意技の内股を教えるポイントなどを伝授した。

 フランスは日本の約4倍の80万人の競技人口を誇る柔道大国。人間形成を重視する柔道に教育的な価値を見いだし、老若男女を問わずに幅広い層が競技を楽しむ環境がある。井上氏は「日本発祥の競技というプライドを持つことも大事だが、海外の良いものを学んで吸収することも大事」と強調した。

 日本選手団の副団長を務めるパリ五輪にも言及。開幕まで99日となり「100日を切ってジタバタしても仕方ない。ここまでやってきたことを信じて、これからやるべきことを明確にして進んでいくことが大事」と力を込めた。