◇パ・リーグ 楽天5−1日本ハム(2024年4月25日 楽天モバイル)

 最後は気迫でねじ伏せた。9回2死満塁。楽天・則本は松本剛をフォークで左飛に打ち取り、安堵(あんど)の表情で捕手の石原と握手を交わした。

 「次はこのようなことがないようにしたい。改善するところはあると思うので、映像を見て修正したい」

 志願のマウンドだった。4点リードでセーブは付かないが、日本ハムは5連勝中。岸の今季初勝利もかかっており、今江監督は守護神に声をかけた。「彼(則本)に尋ねたら投げたいと言ったので行かせた」。則本は発熱による体調不良のため、14日に感染症特例で出場選手登録を抹消。23日に復帰登板したばかりで先頭の上川畑から2連打を浴びるなど無死満塁とされた。それでも石井を三直併殺に仕留め、再び満塁にされても無失点で切り抜けた。お立ち台に上がった先輩の岸からは「あれで同点に追いつかれたら、本当に引っぱたいてやろうかなと思いました」と冗談交じりにイジられた。

 先発から抑えに転向させ、揺るぎない信頼を寄せる今江監督は「最後はしっかり抑えてくれた」と感謝した。この日カルビーが本来あるべきキラキラ模様のないカードが一部流出したと謝罪。楽天では則本が該当した。本人はその事実を知らず「僕には全然関係ないので」と苦笑い。不思議な縁で最後に打ち取った打者は同じくキラキラ模様のない松本剛だった。(花里 雄太)