大相撲春場所で史上最速優勝、110年ぶりの新入幕優勝を果たした尊富士(25=伊勢ケ浜部屋)が1日、故郷・青森県五所川原市の金木地区と五所川原駅前の2カ所で凱旋パレードを行った。

 午後2時に金木地区でスタート。金木町出身の小説家・太宰治の記念館「斜陽館」の前などを通るコースで、同町の総人口の2倍の約2万人が沿道に集まった。その後、移動して午後4時から五所川原駅前でパレード。出発セレモニーには、高さ約23メートルの「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」の山車が登場した。立佞武多(たちねぷた)の館から市役所を回るコースで、沿道には約3万5000人。2カ所でのべ5万5000人という沿道の人数は、五所川原市の総人口を上回るものだった。

 尊富士は「あんなに金木町に集まっていただいてありがたい」と感謝。「青森に、五所川原に、金木に足を踏み入れてもらえて、相撲をやっていてよかったなと思いました」。自身が生み出した空前の大フィーバーぶりを実感した。

 右足首にケガを負いながらも不屈の闘志で歴史的快挙を成し遂げ、地元のファンに多くの勇気と感動を与えた25歳。「最後土俵に立てたのは皆さんの応援のおかげです」と感謝を述べ「皆さんの夢や希望になれれば、ますます頑張れます。これからも相撲を通じて皆さんに感動を与えられるように、強くなってまた青森に帰ってきたいと思います」と決意を新たにした。