◇ナ・リーグ ドジャース11―2ブレーブス(2024年5月4日 ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平投手(29)が4日(日本時間5日)、本拠でのナ・リーグ東地区6連覇中の強豪ブレーブス戦に「2番・DH」で先発出場。第2打席で出場6試合ぶりの一発となる今季8号を放ち、デーブ・ロバーツ監督(51)の日本生まれのドジャース最多本塁打記録を抜いてトップに立った。

 今季8号を放ち、指揮官の記録を超えた一発について「甘い球をしっかり振り抜けたので良かったかなと思います。その後の打席もアウトの打席も比較的良かった。(指揮官超えは)うれしいですし、もっともっと伸ばせるように頑張りたいと思います」と振り返った。

 また、指揮官にミニカーをプレゼントした翌日に一発が生まれたことについては「いいタイミングで打てたので良かったと思います」と笑った。貯金は今季最多の9に伸ばし「幸先よくカード2つ取ったので、また明日3つめ取れるように切り替えて頑張りたいです」とカード最終戦に向けて意気込んだ。

 会心の一発が生まれたのは3回だった。先頭として打席に入ると、昨季12勝を挙げたメジャー3年目の右腕ブライス・エルダーの内角高めの速球を強振。打球速度103.4マイル(約166.4キロ)、34度で飛び出した打球は392フィート(約119.4メートル)地点の右翼席で弾んだ。大谷は笑顔でダイヤモンドを一周すると、ベンチ前で指揮官からハイタッチで出迎えられた。昨オフ、大谷が「君のために本塁打を打つ」というビデオメッセージでレイズからの移籍を決断させたエース右腕タイラー・グラスノーの登板日は今季3本目の本塁打となった。

 この日の試合前には大谷がロバーツ監督にポルシェのミニカーをプレゼントしていたことが明かされた。大谷は背番号「17」を譲ってくれた同僚・ケリーの妻に高級車で知られるポルシェをプレゼントことで知られる。指揮官は「昨日、贈り物をもらったんだ。私のドジャースのアジア記録を間もなく破ろうとしている選手だ。ポルシェをオフィスに持ってきた彼が素晴らしい小さなポルシェをくれた。彼が車を買ってくれたことは事実。机の上に置いてある」とミニカーであることを種明かし。ほのぼのとするジョークに取材の輪は爆笑で包まれた。

 次の「目標」は、アジア選手最多の崔煕渉(チェ・ヒソプ)の15本塁打となる。指揮官は当初「アジア記録」の認識だったが、記者からの指摘で認識を改めた監督は「翔平はその記録も抜くだろう」と期待していた。