◇セ・リーグ ヤクルト5―6DeNA(2024年5月6日 横浜)

 ヤクルト一筋23年目の鉄腕・石川雅規投手(44)が6日、ヤクルト戦(横浜)に今季2度目の先発登板。5回92球2失点と粘りの投球を見せ、勝ち投手の権利を持って降板。中継ぎ陣に後を託したが、3点リードの8回に4番手・エスパーダが佐野に適時打と筒香に逆転3ランを浴び逆転を許し、そのままチームは敗れた。

 球界最年長44歳3カ月の鉄腕の金字塔は、またもお預けとなった。石川は4月16日中日戦(バンテリンD)以来、今季2度目の登板。初回から持ち前の粘りのピッチングを見せた。

 初回は軽快に3者凡退斬りと最高のスタートを切ったが、先制点をもらった2回に1死から宮崎に左翼線への二塁打を許し、この日合流即スタメンに名を連ねた筒香には四球とピンチを招いた。そして、続く伊藤光に左越えに同点二塁打、さらに京田に中犠飛を打たれ勝ち越しを許した。

 しかし、直後の3回。サンタナに2ランが飛び出し再び1点のリードをもらった。その裏は丁寧な投球で再び3者凡退斬り。3―2で迎えた4回は宮崎の飛球を丸山和が落球しピンチとなったが筒香を中飛、伊藤光を遊ゴロに打ち取り無失点で切り抜けた。

 5回は京田を二ゴロに打ち取った後、相手先発右腕・ジャクソンの代打で登場した度会に中前打を許すも、桑原を中飛、一走・度会をけん制で刺し、5回92球を投げ3安打2失点の力投。プロ野球史上初となる新人から23年連続勝利を中継ぎ陣に託した。

 打線は2回に相手先発右腕・ジャクソンが4四球と乱れ押し出しで先制点をもらうと、逆転された後の3回にサンタナが再逆転の3号2ランを放ち、石川にパワーを与えた。さらに、石川降板後の7回には2死一、二塁から村上が中前にはじき返し1点を加点。リードを2点に広げる大きな一打を放った。4―2の8回には塩見も中前適時打を放ち加点した。

 しかし悪夢は8回に訪れた。回またぎの4番手・エスパーが佐野に適時打を許し1点を失うと、宮崎に四球を与え2死一、二塁で迎えた筒香に逆転3ランを被弾。この瞬間、石川の23年連続勝利も消えた。チームはそのまま敗戦。勝てば借金完済まであと1に迫るところだったが、痛い連敗となった。