J1新潟は、ホームで川崎Fに2―2で引き分け、2戦連続ドローとなった。前半17分に先制点を献上。しかし後半16分にDF藤原奏哉(28)の今季3得点目で同点に追い付いた。さらに後半アディショナルタイム7分にFW鈴木孝司(34)が逆転弾を決めたが、同11分に追い付かれた。勝ち点21で順位は15位のまま。次節は26日にアウェーで広島と対戦する。

 今季最多の3万3885人が訪れたスタジアムのボルテージは、後半アディショナルタイムに最高潮に達した。同7分に右足のヒールで逆転弾を決めた鈴木は、すぐさまゴール裏のサポーターの元に走り、喜び合った。しかし終了間際にまさかの同点ゴールを許し、勝ち点2を失った。

 序盤は守備がはまらずに相手にペースを握られた。前半17分に左サイドから右サイドに展開され、マークが間に合わずに先制点を奪われた。

 互いにポゼッション志向のチーム。相手にサイドで起点をつくられ、圧力にも苦しんだ序盤はボール保持率も劣勢だった。それでも松橋監督が「じれずにボールを握り続けることでリズム、テンポ、バランスにつながってくる」とポイントを話していたように、いい立ち位置を取って少しずつ保持率を高めた。

 それが後半に実を結んだ。パスを回して徐々に全体が高い位置でプレーできるようになった後半16分。左サイドで最終ライン裏を取り、一度ははね返されたが、こぼれ球を拾った左サイドバック(SB)の堀米がクロス。そのこぼれを右SBの藤原が押し込んだ。

 試合終了間際の鈴木のゴールは、攻め上がったDF舞行龍のシュート気味のボールをうまく流し込んだもの。ただ、最後にロングボールから同点を許して、舞行龍は「ライン設定、ボールの前に立って遅らせる。細かいところが勝利につながる」と悔やんだ。

 これでリーグ前半戦を終えた。4月7日のC大阪戦から無得点試合はなく、攻撃力は十分に見せている。しかし2戦連続で追い付かれ、天皇杯北九州戦でも試合終了間際に失点。後半戦は守備が課題となる。この日も攻守に奮闘した藤原は「今日も含め、前半戦はもったいない失点が多かった。でも負けていないので次は勝ちたい」と気合を入れ直した。(西巻 賢介)