◇第53回関西学生サッカー選手権大会 決勝 同大2ー1京産大(2024年6月30日 ヤンマースタジアム長居)

 同大が、50大会ぶりに決勝へ進出し初優勝を狙った京産大を下し13大会ぶり6度目の春の王者に輝いた。

 鮮やかな決勝弾を叩き込んだのは、FW鹿取勇斗(3年=桐光学園)だ。1―1の後半25分、ペナルティーエリア手前やや右からのフリーキック。前半に得たフリーキックで、相手GKの動きを観察していた。「後半、あそこの場所で(FKの場面が)あれば、狙いたいと思っていた」と、少し前へ出ていたGKの意表を突いてニア下へ直接、殊勲の一発をぶち込んだ。「あのコース、スピード、GKの動きは思い描いていた通り。練習している形がこの舞台で出せて気持ち良かった」と笑顔をはじけさせた。

 高校時代は腰椎分離症に悩まされ、3年時にチームは第100回全国高校サッカーで8強まで進んだが、一度もピッチを踏むことができなかった。「苦しい思いをした中で、プロの世界を目指しているので、大学では絶対活躍したいという強い思いでやってきた」。大一番での鮮やかなゴラッソが、チームを頂点に導いた。

 1部リーグでは勝ち点4の最下位に沈む現状だが、望月慎之監督も「そういう(起爆剤になる)大会になればベストだと思ってやってきた。この流れを切らさず(リーグ首位)関大戦へ向けて準備したい」と巻き返しへ手応えを得た様子。勲章を手にした紫紺の名門が、リーグ戦でも下克上を実現する。