名古屋場所の新番付で新小結に昇進した平戸海が1日、愛知県扶桑町の境川部屋宿舎で会見した。力士としては小兵ながら猛稽古で急成長した叩き上げの星。同学年の関脇・大の里ら学生出身力士の躍進に刺激を受け、まだ手にしたことがない三賞受賞と師匠超えの目標を掲げた。

 中学を卒業して角界入りし、8年で三役の地位に就いた。平戸海は「一つの夢でもあったので、うれしい」と充実した表情をのぞかせた。

 厳しい現実に直面し一時は諦めかけたというが、一日50番近くの猛稽古で地力をつけた。もがいた成果が結果に表れ、それが自信になった。1メートル78、138キロ。新十両から体重は変わらないというが稽古の積み重ねで小兵でも幕内のつわものと互角以上に渡り合う体をつくり上げた。「立ち合いで負けない自信はついてきた」と力強く言った。

 同学年の大の里の存在に刺激を受け、夏場所は会心の相撲で撃破した。尊富士、大の里ら学生力士の活躍は「悔しい。もっと頑張らないといけない」ときっぱり。“中卒叩き上げ”としての意地を垣間見せる。

 同じ長崎県出身でもある師匠、境川親方(元小結・両国)の番付にも並び「うれしい。師匠の番付を超えられるように頑張りたい」と目を輝かせる。次なる目標を問われると「まだ獲ったことがないので三賞が欲しい」と意欲を示した。 (黒田 健司郎)