虎の威を借り、火災の防止を願う伝統行事、「火伏せの虎舞」が28日、宮城県加美町で行われました。会場には大勢の観客が詰めかけ、地元の子どもたちによる勇壮な舞が披露されました。

加美町の中新田地区で行われた「火伏せの虎舞」は、およそ650年前の室町時代から続く行事で、県の無形民俗文化財に指定されています。

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お囃子や太鼓に合わせ舞うのは地元の小中高校生120人で、28日は早朝から家々を周り、庭先や時には家の中に入りながら勇壮な虎舞を披露し防火や家内安全を祈願しました。

住民:
「すごく上手だった。年に1度の虎舞なので地域の人も気持ちが入っている」
「生まれた頃からあるので、当たり前、日常みたいな感じ」

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メイン会場には、通りを埋め尽くすほどの観客が詰めかけました。その視線の先には・・・。

瓦屋根の上で勇壮な姿を見せる虎舞です。

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この地区は奥羽山脈からの強風で度々大火に見舞われていました。そのため中国の故事、「雲は龍に従い、風は虎に従う」に習い、火伏を祈願したのが虎舞の始まりとされています。子どもたちは2週間ほど前から練習を重ねていて、本物の虎を想わせるような舞いに大きな拍手が送られていました。

観客:
「楽しかった。かっこよかった」
「コロナ明けで久々に見に来た。屋根の上で踊っているのが迫力あって良かった」虎舞の演者:
「中新田の文化のために頑張って踊った。自分の出来る限りのことはした」
「虎になりきって踊るので、緩急を使いながら虎のように踊ることが大事。少し緊張したが、人のためになることができて楽しかった」

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毎年およそ4万人が訪れる火伏せの虎舞。加美町にとって欠かすことのできない祭りとなっています。