この日曜日、フランスでは下院にあたる国民議会の選挙が行われます。極右政党の優勢が伝えられるなか、議会を解散して総選挙に打って出たマクロン大統領の“賭け”は成功するのでしょうか。

27年ぶりに国民議会の解散に踏み切ったマクロン大統領。EU=ヨーロッパ連合の議会選挙で極右「国民連合」に大敗したその日の決断で、“賭け”だと言われています。

フランス マクロン大統領
「フランスは非常に重要な局面を迎えています。国民に再び選択肢を与える必要があります」

“賭け”の狙いは選挙の仕組みにあります。

極右候補が優勢だったとしても、1回目の投票で過半数をとる候補がいない場合は決選投票となります。そこで極右を避けたい有権者の票が集まれば、勝利が期待できるというわけです。

ところが。

パリ市民
「(マクロン大統領は)国民の声を聞かず、好き勝手にやりますね」
「信頼回復を狙ったのかもしれませんが、危険な判断ですよ」

最新の世論調査では、極右「国民連合」が依然トップで、左派連合がそれを追う構図。

物価高や年金制度改革で不評を買ったマクロン大統領の率いる中道・与党連合の候補者の多くは、決選投票に残ることさえできないかもしれません。

一方、「国民連合」を率いるのは、28歳のジョルダン・バルデラ氏。表向き過激な主張を控え、“極右”に抵抗感を持つ人たちや若者にも支持を伸ばしています。

記者
「国民連合のバルデラ党首が会見に臨みます。自らが首相になった際の方針について語るとみられます」

▼年金改革の撤廃や、▼移民政策の厳格化を訴えたバルデラ氏。ウクライナ支援をめぐっては。

極右「国民連合」 バルデラ党首
「ウクライナへの派兵は絶対に越えてはならない一線です。エスカレーションに繋がるような長距離ミサイルなどの武器供与についても反対です」

マクロン氏との違いをアピール。

もし、極右政党が第1党となり、首相が選出されることになれば、フランスの政治の混乱は避けられず、ヨーロッパ全体に大きな影響を及ぼすとみられます。