現地時間6月1日、NBAファイナル2023がコロラド州デンバーで開幕し、ホームのナゲッツが幸先よく先勝した。

 今季のナゲッツはレギュラーシーズンでウエスタン・カンファレンス1位の53勝29敗を記録。第1シードで臨んだプレーオフでもニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーの2枚看板を中心に盤石の強さを見せ、球団創設56年目にして初のファイナル進出を果たした。

 悲願の初優勝へ、地元ファンが大きな期待を寄せるなか、ファイナル第1戦前日に米スポーツ専門局『ESPN』が投稿したあるデータが密かに注目を集めている。

 同局はTwitterアカウント(@ESPNNBA)にて、「ナゲッツはNBAの歴史にその名を刻むことができるのか?」と題し、1枚の写真をアップ。写真には1979年のシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)のメンバーとともに、「1979ソニックス:カリフォルニア州とテキサス州以外でNBAタイトルを獲得した最後のウエスタン・カンファレンスのチーム」と記されている。
  ワシントン州シアトルに本拠地を置いていたソニックスが初優勝を飾った1979年以降の43年間、NBAはウエストのチームが23回、イーストが20回優勝。球団別ではイーストから8球団が頂点に立っているのに対し、ウエストは5球団のみ。それも同局が指摘するように、カリフォルニア州(ロサンゼルス・レイカーズ、ゴールデンステイト・ウォリアーズ)とテキサス州(ヒューストン・ロケッツ、サンアントニオ・スパーズ、ダラス・マーベリックス)のチームだけだ。

 複数の球団を抱えるこの2つの州に優勝チームが固まるのはある程度仕方がない部分もあるが、その間もオレゴン州のポートランド・トレイルブレイザーズ、アリゾナ州のフェニックス・サンズ、ユタ州のユタ・ジャズがそれぞれ2回ずつファイナルに出場し、いずれも敗れている。

 アメリカ中西部のコロラド州、その最大の都市であるデンバーに本拠を構えるナゲッツは、球団初優勝に加えて、過去43年間続いた歴史を覆せるのか。こういった視点からも、今季のファイナルに注目してみてはいかがだろうか。

 1979年以降のファイナル全結果は以下の通りだ。■1979年以降のNBAファイナル結果
※対戦カードの左側がウエスタン・カンファレンス、右側がイースタン・カンファレンスのチーム(チーム名は略称)

1979年ソニックス○4−1●ブレッツ

1980年レイカーズ○4−2●76ers
1981年ロケッツ●2−4○セルティックス
1982年レイカーズ○4−2●76ers
1983年レイカーズ●0−4○76ers
1984年レイカーズ●3−4○セルティックス
1985年レイカーズ○4−2●セルティックス
1986年ロケッツ●2−4○セルティックス
1987年レイカーズ○4−2●セルティックス
1988年レイカーズ○4−3●ピストンズ
1989年レイカーズ●0−4○ピストンズ

1990年ブレイザーズ●1−4○ピストンズ
1991年レイカーズ●1−4○ブルズ
1992年ブレイザーズ●2−4○ブルズ
1993年サンズ●2−4○ブルズ
1994年ロケッツ○4−3●ニックス
1995年ロケッツ○4−0●マジック
1996年ソニックス●2−4○ブルズ
1997年ジャズ●2−4○ブルズ
1998年ジャズ●2−4○ブルズ
1999年スパーズ○4−1●ニックス
 2000年レイカーズ○4−2●ペイサーズ
2001年レイカーズ○4−1●76ers
2002年レイカーズ○4−0●ネッツ
2003年スパーズ○4−2●ネッツ
2004年レイカーズ●1−4○ピストンズ
2005年スパーズ○4−3●ピストンズ
2006年マーベリックス●2−4○ヒート
2007年スパーズ○4−0●キャバリアーズ
2008年レイカーズ●2−4○セルティックス
2009年レイカーズ○4−1●マジック

2010年レイカーズ○4−3●セルティックス
2011年マーベリックス○4−2●ヒート
2012年サンダー●1−4○ヒート
2013年スパーズ●3−4○ヒート
2014年スパーズ○4−1●ヒート
2015年ウォリアーズ○4−2●キャバリアーズ
2016年ウォリアーズ●3−4○キャバリアーズ
2017年ウォリアーズ○4−1●キャバリアーズ
2018年ウォリアーズ○4−0●キャバリアーズ
2019年ウォリアーズ●2−4○ラプターズ

2020年レイカーズ○4−2●ヒート
2021年サンズ●2−4○バックス
2022年ウォリアーズ○4−2●セルティックス
2023年ナゲッツ − ヒート

構成●ダンクシュート編集部