女子テニス世界ランク2位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ/25歳)の恋人で元プロアイスホッケー選手のコンスタンティン・コルツォフ氏(ベラルーシ)が42歳の若さで亡くなったことが、各種海外メディアの報道で明らかになった。

 コルツォフ氏は2002年から06年の3シーズンにわたって最高峰のNHL(ナショナルホッケーリーグ)でプレー。ベラルーシ代表として02年のソルトレークシティー(アメリカ)、10年のバンクーバー(カナダ)の2度冬季五輪に出場した経歴も持つ名プレーヤーの1人だ。16年11月に現役を引退してからは、ロシアのプロクラブ「サラバト・ユラエフ」のコーチを務めていた。

 コルツォフ氏とサバレンカは21年に交際を公表。競技を超えた同郷の“年の差カップル”として注目を浴びていた2人は度々SNSでも仲睦まじい2ショット写真を投稿していた。今年1月の全豪オープンで大会連覇を成し遂げるとともに、四大大会2勝目を挙げたサバレンカにとっては、コルツォフ氏の存在が何よりも大きな支えとなっていたはずだ。だからこそ彼女のショックは計り知れない。

 当初ベラルーシメディア『Smartpress.by』はコルツォフ氏の死因について「血栓症」(血管内に血の塊が詰まる疾患)と報じていたが、米大手メディア『CNN』の配信記事によれば、「死因はバルコニーからの飛び降り自殺」で、すでに捜査当局も「他殺の線はない」と断定しているという。

 死亡当時コルツォフ氏は米マイアミに滞在していたようで、現在開催中のWTA1000大会「マイアミ・オープン」(3月19日〜31日/アメリカ・マイアミ/ハードコート)にエントリーしているサバレンカの応援に駆け付ける予定だったとみられる。
  一連の報道を受け、サラバト・ユラエフは19日に声明文を発表。「深い悲しみとともに、サラバト・ユラエフのコーチ、コンスタンティン・コルツォフが亡くなったことをお知らせします。彼は強くて陽気な人で、選手や同僚、ファンから愛され、尊敬されていました。コンスタンチン・エフゲニエヴィッチ(コルツォフ氏)は、私たちのクラブの歴史に、永遠にその名を刻みました」と哀悼の意を表した。

 またこれに続く形でコルツォフ氏が現役時代に所属していたNHLチームのピッツバーグ・ペンギンズ(アメリカ・ピッツバーグ)も公式X(旧ツイッター/@penguins)を通じ、「家族と友人に深い哀悼の意を表します」と悲しみの言葉を綴っている。

 全豪女王を突如襲った悲劇。状態が心配されるサバレンカだが、スペインメディア『Punto de Break』ではマイアミ・オープンの会場で試合前練習を行なった際の映像が公開されており、このまま大会には第2シードで出場する見込みとなっている。その初戦(2回戦)では親友で元世界2位のパウラ・バドサ(スペイン/現80位)と対戦する予定だ。

文●中村光佑

【画像】ピッツバーグ・ペンギンズが哀悼の意をX(旧ツイッター)に投稿

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