F1第3戦のオーストラリア・グランプリ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は7位入賞を果たし、6ポイントを獲得している。

 初日から好調で、予選では2戦連続となるQ3進出を果たした上に、今季最高位となる8番手。決勝では安定したドライビングで、ほとんどの周回においてトップ10以内を維持し、ライバルたちのリタイアやペナルティーによって、最終的に今季最高順位を手にすることとなった。

【関連記事】オランダ有識者が「無礼だ」と激怒!レッドブル顧問も言及したRB順位入れ替え問題…角田裕毅とリカルドはともに解決済みと強調 最高のパフォーマンスと結果で、次戦の日本GPにも弾みをつけた彼に対して、当然ながら各国メディアも高評価を下している。英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、10点満点の採点で「8.5」を与え、寸評ではチームメイトのダニエル・リカルドを引き合いに出して、角田に賛辞を贈った。

「このところ、多くの注目が角田のチームメイトに集まっているが、この日本人ドライバーは再び示した。2025年にチームのどちらかひとりが残留するとすれば、それが彼であるべきだということを。8番手スタートの角田は、ポイント圏内に留まるためによく戦った。その結果、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン、ジョージ・ラッセル(ともにメルセデス)がリタイアした時、彼は8位まで昇格し、RBにとってシーズン初のポイントを獲得した」

 同じ英国のモータースポーツ専門サイト『CRASH』はさらに高い「9」という採点で、「角田は、かつてマクラーレンでランド・ノリスがそうしたように、ダニエル・リカルドを負かし続けており、オーストラリアでまた新たな力強い週末を過ごした。予選ではQ3に進出し、決勝ではしっかりとポイントを獲得……間違いなくレッドブルは、角田を2025年のドライバー候補として考えているだろう」と、来季の去就にも言及している。

『TOTAL MOTORSPORT』は、「車の性能を上回るほどのパフォーマンスを見せたことは、角田にとって非常に大きな結果だ。安定感のある走りを見せて6ポイントを獲得したこともさることながら、リカルドとの間に明らかな差があったことが大きい。鈴鹿でのホームレースを控え、角田は自信に満ち溢れている」として、採点は「7.5」とした。
  一方、『MOTORSPORT WEEK』は「9」の高採点を付与し、「オーストラリアでの角田は、地元のヒーローであるリカルドを完全に上回る週末を過ごし、さらに一歩踏み込んだドライビングを披露。チームメイトがQ1で敗退する中、角田は今季2回目のQ3進出を果たした。決勝では『VCARB01』から最大限のパフォーマンスを引き出し、成熟した見事なレースを展開。ただ、前を走るアストンマーティンには敵わなかった」と、その週末を総括している。
 『RACE FANS』も、「角田は週末を通して素晴らしいパフォーマンスを発揮。それは、キャリアにおいて成熟したもののひとつであり、印象的だった。初日のフリー走行でピットレーンに出た瞬間から、彼は余裕を持ち、自信に満ちており、チームメイトのリカルドが迷子に見えるほどだった。ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に対するオーバーテイクはベストなアクションのひとつであり、ポイント圏フィニッシュに相応しい完璧な走りだった」と、日本人ドライバーを絶賛。採点も「8」と高かった。

 オランダのF1専門サイト『GPBLOG』は「9」の高採点で、「今RBで最も速いドライバーが誰かを明確にしたのは、なんと言っても角田だ。この日本人ドライバーは、予選でリカルドよりもはるかに速く、レースでは最大限にポイントを獲得した」と記述。対して、スペインのF1専門サイト『F1i.com』は「8.5」とした角田のオーストラリアGPを、以下のように振り返っている。

「この週末、注目の多くは地元のヒーローであるリカルドに集まっていた。それはおそらく、角田にとってうってつけの状況だっただろう。彼は黙々と仕事に打ち込み、堅実に成功を収めた。金曜日のフリー走行ではいずれもトップ10に入り、予選ではQ3進出で8番グリッドを獲得。一方、リカルドはグリッドの後方に沈んだ」

「決勝では、スタート時に順位をひとつ落としたが、その後、角田は驚くほど冷静な走りを見せ、ほとんどの周回で9番手を維持。最終ラップでのラッセルのクラッシュ、さらにフェルナンド・アロンソのタイムペナルティーのおかげで、6ポイントを獲得した。我慢強く待つ者には良いことが本当に訪れるようだ。もしかしたら、レッドブルのシート獲得の可能性もあるかもしれない」
  スポーツ専門サイト『sportskeeda』も、「角田にとって完璧な週末だった。彼は、必要な時に結果を出せること、そして車が十分にポテンシャルを持っている時にも好成績を残せる。このレースがそれを実証し、結果、我々は予選とレースの両方で素晴らしい走りを披露した日本人ドライバーの、躍進する姿を見ることができた」と賛辞を贈り、最高評価に近い「9」を与えた。
 
 最後に、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、今回も採点ではなくランキング形式で選手を評価しており、角田は実際の順位を大きく上回って、優勝を飾ったカルロス・サインツ(フェラーリ)に次ぐ「2位」にランクイン。寸評も以下の通り、終始ポジティブな内容となっている。

「角田はリカルドを完全に上回り、週末を通してセカンドグループの先頭を走った。予選でも効率的で、リカルドでは不可能なペースで今季2回目のQ3進出を果たし、決勝ではこれまで手が届かなかったアストンマーティン(ランス・ストロール)を前にして、クリーンでまともな争いを展開した。彼は予選とレースの両方、最大限の結果を残した」

構成●THE DIGEST編集部

【動画】今季初ポイント! 豪州GP、角田裕毅の激走をチェック
【動画】角田裕毅、今季最高結果7位入賞! 豪GP決勝ハイライト
【動画】角田裕毅、渾身のアタックで予選Q3進出!