現地4月1日、ブルージェイズとの3連戦初戦に臨んだアストロズは、先発右腕のローネル・ブランコがノーヒッターを達成した。

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 初回先頭のジョージ・スプリンガーにいきなり四球を与えたブランコだが、次打者からは本来のスライダー主体からチェンジアップを軸とした投球に切り替えたのが奏功。4回の3者連続をはじめ、7奪三振はすべてチェンジアップが決め球だった。

 9回は1死からケイバン・ビジオに一・二塁間に痛烈な当たりを飛ばされるも、一塁手のホゼ・アブレイユが好捕。いよいよノーヒッターが目前に迫ると、ミニッツメイド・パークに集結したファンは総立ちとなり、固唾を呑んでブランコの投球を見守った。

 最後の打者ブラディミール・ゲレーロJr.に対しても、ブランコは決め球にチェンジアップを選択。見事セカンドゴロに打ち取って、球団史上17人目の大記録を達成した。
  2021年に28歳でメジャーデビューした典型的な遅咲き。2年目の昨季は17試合に登板(うち7試合で先発)したが、防御率4.50と平凡な成績だった。今季開幕ローテーションに抜擢されたのも、ジャスティン・バーランダーが右肩の故障で出遅れたことによる「棚ボタ」で、それだけに今回のノーヒッターは誰にとっても意外な快挙達成だった。

 そもそもアマチュア時代からして、エリートコースを歩んでいたわけではない。ドミニカ共和国出身のブランコは少年時代、強肩自慢の三塁手や外野手としてプレー。だが、打撃が苦手でスカウトの目には留まらず、18歳で投手に転向した。中南米の有望選手は普通、10代のうちにメジャー球団と契約するものだが、ブランコの場合はそこからさらに足踏みが続いた。午前中に投球練習、午後は洗車場で働きながら自分と母親を養う生活を続けた後、ようやくアストロズと契約したのは22歳の時だった。

 投手転向から12年。雌伏の時を過ごし続けた無名の苦労人右腕による、まさかまさかの快挙達成。前日までのヤンキースとの4連戦ではスウィープ負けを喫していたアストロズにとってはうれしい今季初勝利にもなった。今季から就任したジョー・エスパーダ監督も「監督初勝利は嬉しいが、これは彼(ブランコ)のものだ」と快挙を祝福。30歳の遅咲き右腕は、苦しいスタートを切った強豪アストロズの救世主となるだろうか。

構成●SLUGGER編集部

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