F1第4戦の日本グランプリは4月7日に決勝が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は10位入賞を果たし、2戦連続、そして母国レースでは初のポイント獲得を成し遂げた。

【関連記事】「最強のピットストップ見ちまった!」日本GP10位入賞の角田裕毅、ゴボウ抜き実現した“神業”に大反響「超グッジョブ!」 10番グリッドにつけた角田は、スタートに失敗して順位を2つ落とすものの、直後にチームメイトのダニエル・リカルドが巻き込まれたクラッシュで赤旗が出ると、再スタートでは9番手に浮上。その後はライバルとの接近戦が続き、23周目に5台が一斉にピットインすると、RBメカニックの迅速なピット作業により先頭でコースに復帰し、34周目にはニコ・ヒュルケンベルク(ハース)を逆バンクでアウトから抜き去るという見せ場を作って10番手に浮上、以降は危なげなく順位を守り切った。

 2012年の小林可夢偉(当時ザウバー)以来となる、日本GPで入賞した日本人ドライバーという栄誉に浴した角田は、自身のSNSで「ホームレースでポイントを獲得できたことは最高の喜びです! ピットストップでは、メカニックたちを含め、チーム全体が信じられないほどの仕事をしてくれました。レース展開にも、とても満足しています。幾つか良いオーバーテイクもあったし、みんなのサポートも素晴らしかったです」と喜び表わしている。

 また、チームの公式サイトを通して、「安心感を抱いています。最初のスタートで幾つかのポジションを失った時には確かに少し失望しましたが、すぐに、2度目のスタートに集中しました。そこで良いスタートが切れ、ポジションを取り戻すことができました」とレースを振り返り、以下のように続けた。

「レースの大きなハイライトのひとつは、ピットストップでした。メカニックは素晴らしい仕事をしてくれました。とても速いピットストップで、2台の車を追い越すことができました。信じられません! それがなければ、今日はポイントを獲得するのはずっと難しかったでしょう。だからチームは称賛を受けて当然です」

「(中略)今日は自信を持っていました。他の車と比較して、我々の車は直線速度で競争力がないことは分かっていましたが、一方でダウンフォースは十分にあったので、唯一のチャンスはその影響を受けやすいS字コーナーでした。それが幾つかの良いオーバーテイクを可能にし、僕はそれを楽しみました」

「タイヤマネジメントに関しては、今日のレースでのドライビングはおそらく僕のベストだったと思います。ここ鈴鹿でキャリアをスタートさせ、今回、ここでポイントを獲得できたことは、とても特別なことです。僕の旅を支え、関わってくれたホンダ、レッドブル、そしてRBのみんなに感謝したいです。今日は10位ではなく、1位になったような気持ちであり、本当に素晴らしい気分です」
  RBはSNSで角田を「ホームヒーロー」と称賛して祝福。テクニカルディレクターのジョディ・エッギントンは、「ユウキは見事にドライブし、タイヤを上手く管理し、必要な時には良いペースを示し、ギャップを維持する必要がある時には速さを示した。ピットウォールでは再スタート後の戦略で非常にうまく対応し、ピットクルーはプレッシャーの中で素晴らしいピットストップを行ない、非常に激しいバトルが繰り広げられる中でトラックポジションを取り戻した」と、見事な働きを見せた角田やチームスタッフを褒め称えている。
  またローラン・メキーズ代表も、「今日はチームにとって素晴らしい結果となった。ユウキは素晴らしくコントロールされたレースを、母国の大観衆の前で展開し、タイヤを管理すると同時に、必要な時にはしっかりとプッシュしてみせた。素晴らしいオーバーテイクもあり、週末を通して一度もミスを犯すことがなかった。彼は、今日の素晴らしい結果を受けるに相応しい」と、角田を絶賛した。

 各国メディアの報道では、フランスのスポーツ紙『L’EQUIPE』が、「角田のレースは印象的だった。超高速で危険な連続したコーナーであるS字での外側からのオーバーテイクは、彼がどれほど優れているかを示している」と、この日本人ドライバーの能力を高く評価している。

また、同国のモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は「角田は鈴鹿で素晴らしいレースを見せ、ファンの前で10位フィニッシュを飾り、ポイントを獲得した。RBのドライバーは最初のスタートで順位を落としたが逆転。決定的な瞬間は2回目のピットストップで、チームは彼の順位を3つ上げた」とレポート。また、「角田は“スーパーヒーロー”に感謝した」とも綴り、スタッフの貢献ぶりを強調した。

 イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、「ユウキは最初のスタートでは苦労したが、赤旗中断後の再スタートで挽回。彼はレース全体で戦い続けたが、チームの戦略もこの日本人ドライバーがポイントを獲得する上で重要なサポートを果たした。最終的に彼は、母国・日本で偉業を達成した」と、角田のレースを振り返っている。

 最後に、英国のモータースポーツ専門サイト『THE RACE』は、「日本GPの勝者と敗者」という記事で、「勝者」として真っ先に角田を選定。寸評では、「ホームのヒーローによる非常に強い週末は、地元のファンに心から称賛された」との記述から、以下のように続けられた。

「角田のレースは完璧ではなく、最初のスタートでの出遅れはレースを台無しにする可能性もあった。トップ5は明らかに速く、全チームが2台とも最後まで車を走らせた中、彼は最終スティントを素晴らしく管理し、寿命が切れそうなハードタイヤで、最後の2周で最速ラップを出した。母国レースでの初ポイントに値する、角田の素晴らしい仕事だった」

構成●THE DIGEST編集部

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