F1第4戦の日本グランプリ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は10位フィニッシュを飾り、母国レースでは初のポイントを獲得してみせた。

 3度のフリー走行全てでトップ10入りし(2回目は雨でタイムを出したのが5人だけだったが)、予選では3戦連続でのQ3進出を果たして10番手につけ、決勝ではスタートに失敗するも、再スタートで挽回し、チームの見事なピット作業によるサポートを受け、自身は幾度かオーバーテイクで見せ場を創りながら、しっかりと結果を残した角田には、多くの賛辞が寄せられている。

 F1公式サイト『F1.com』は、5人の審査員による10点満点の採点の平均値を算出してレース毎の「パワーランキング」を発表しているが、日本GPのそれでは、角田に「8.4」を付与。これは、レッドブルのセルジオ・ペレス(レースでは2位表彰台)、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ(6位)と並んでの3位タイという高評価で、寸評では以下のように審査理由が綴られた。

「堂々の10位フィニッシュを果たした角田は、2012年の小林可夢偉(当時ザウバー)以来、日本人ドライバーとして母国レースでポイントを獲得した最初の選手となった。今季の成績は、角田がどれだけ成長したかを示す新たな例であり、そのパフォーマンスは注目を集め始めている。審査員は間違いなく、彼がここで大きな話題となる価値があると考えており、それがペレスやアロンソと同じ採点を獲得した理由である」
  ちなみに、3位タイで並ぶ角田ら以外のパワーランキングの順位は、1位マックス・フェルスタッペン(レッドブル/レースは優勝/採点は9.6)、2位カルロス・サインツ(フェラーリ/3位/8.8点)、6位シャルル・ルクレール(フェラーリ/4位/8.0点)、7位ランド・ノリス(マクラーレン/5位/7.6点)、8位ジョージ・ラッセル(メルセデス/7位/6.8点)、9位ニコ・ヒュルケンベルク(ハース/11位/6.6点)、10位オスカー・ピアストリ(マクラーレン/8位/6.2点)、10位ヴァルテリ・ボッタス(キックザウバー/14位/6.2点)、10位エステバン・オコン(アルピーヌ/15位/6.2点)となっている。

 実際のレースの順位とこのパワーランキングの順位の差が最も大きいのが角田で、そこからも評価の高さが窺えるが、彼はこれによって今季通算のパワーランキングでも平均値「7.3」で、サインツ、フェルスタッペン、ルクレール、ノリス、ペレス、ピアストリ、アロンソに次ぐ8位に浮上した(9位はラッセル、10位はヒュルケンベルク)。

 このような角田に対して、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問は『SPEEDWEEK.COM』のコラムで、「ユウキはセンセーショナルな活躍を見せた。彼が見せたオーバーテイクは、この日のショーであり、ファンは完全に興奮していた。日本での週末のユウキは、マックスやアロンソと同じレベルにあった。ホームレースならではのプレッシャーの下、完璧で素晴らしいパフォーマンスだった」と絶賛した。

 これを報じたイギリスの日刊紙『Mirror』は、「このようなパフォーマンスが続けば、角田は姉妹チームであるレッドブルで、フェルスタッペンのチームメイトとなるチャンスを得られるかもしれない」と綴ったが、ここまでレース毎に価値を高めている日本人ドライバーが、今後のF1の勢力構図やストーブリーグの動向にいかなる影響を与えるかが非常に興味深いところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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