現地時間4月28日(日本時間29日、日付は以下同)に行なわれたロサンゼルス・クリッパーズとダラス・マーベリックスによるウエスタン・カンファレンス・プレーオフ1回戦の第4戦は、116−111でアウェーのクリッパーズが勝利。これでシリーズ成績は2勝2敗のタイに持ち込まれた。

 この試合、両軍の新旧スーパースターたちが躍動した。クリッパーズはカワイ・レナードが右ヒザ炎症のため欠場するも、最終クォーターだけで15得点を荒稼ぎしたジェームズ・ハーデンが33得点に6リバウンド、7アシスト、7本の3ポイントを炸裂させたポール・ジョージも33得点、6リバウンド、8アシスト、4スティールとハイパフォーマンスを披露。

 一方のマーベリックスは、カイリー・アービングがゲームハイの40得点に7リバウンド、5アシスト、ルカ・ドンチッチも29得点、10リバウンド、10アシストのトリプルダブルを達成。最大31点のビハインドから一時は逆転に成功したものの、わずかに及ばなかった。

 ただ、ドンチッチは右ヒザを痛めていたこともあり3ポイント成功率11.1%(1/9)と不発で、ディフェンス面でも効果的な働きができず「アービングをがっかりさせてしまったと感じている」と反省。とはいえ、クラッチタイムにショットを決め切る勝負強さは健在だった。
  この試合最大の見せ場となったのは、マーベリックスが逆転に成功したシーンだ。アービングが3人のディフェンダーがいる間を縫って入り込み、空中で体勢を整えて美しいレイアップでフィニッシュ。105−104とついにリードを奪い、アリーナは興奮の坩堝と化す。しかし今度はクリッパーズのジョージが、サイドステップから右コーナーへ移動してスペースを作り出し、再逆転弾となる鮮やかな3ポイントを放り込んでみせた。

 ジョージは事実上の決勝弾となったそのプレーを、試合後にこう振り返っていた。

「ああいったプレーやムーブというのは、夏の間に磨くんだ。誰もいないジムで、自分とトレーナーだけでね。だから今日のような状況は思い描いているものなのさ。あの瞬間にいることは、どのアリーナでプレーしていようと、観客がどうなっていようが、プレッシャーがあろうと関係ないんだ。ああいう(クラッチの)状況に身を置くと快適な気分になるものなのさ」

 レナードの復帰時期が微妙のため、クリッパーズは第5戦もこの試合と同じ布陣で臨むこととなる。5月1日にホームで行なわれる次戦で勝利し、カンファレンス・セミファイナル進出に王手をかけることができるか注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

【PHOTO】NBA最強の選手は誰だ?識者8人が選んだ21世紀の「ベストプレーヤートップ10」を厳選ショットで紹介!