5月6日、東京ドームで行われる井上尚弥vsルイス・ネリ戦には“最強vs最恐”というキャッチフレーズがつけられている。
【PHOTO】井上尚弥がKO勝利!史上2人目となる2階級での4団体統一王者に輝く!
井上はバンタム級でボクシング主要4団体(WBA・WBC・IBF・WBO)制覇を達成すると、昨年はスーパー・バンタム級に転向。2試合で4団体のベルトを獲得した。いずれの試合も迫力抜群のKO勝利だった。
プロ6戦目での世界初戴冠から、10年間すべての試合が世界戦だった井上。今回は日本ボクシング史上最大規模の大会でメインイベントを務める。
挑戦者のネリは、日本では“悪童”として知られる。2017年、山中慎介から世界タイトルを奪った試合でドーピング陽性反応。再戦では大幅な体重オーバーの果てに山中を倒した。試合後、ネリは国内ライセンス無期限停止処分を受けている。
処分が解除されて実現する今回の試合は、日本のボクシングファンから蛇蝎(だかつ)の如く嫌われているネリを井上尚弥というヒーローが“成敗”するという構図とも言える。
とはいえ、ネリも“やられ役”に甘んじるつもりはないだろう。これまでバンタム級、スーパー・バンタム級の2階級制覇を達成しており、現在WBCのランキングは1位。文句なしの挑戦者としてリングに上がる。昨年、井上は米リング誌の年間最優秀選手に選出されたが、ネリは年間最高試合を受賞している。
井上が所属する大橋ジムの大橋秀行会長は、ネリについて「怖さは過去最大」だと語っている。まさに「最恐」だというのだ。なぜなら、まず倒されないように、負けないようにというディフェンス重視の闘いではなく「尚弥を倒しにくる、勝ちにくる」からだ。
この試合に向け長期のファイトキャンプを敢行、来日も4月21日と早かった。時差ボケ対策と日本の気候に慣れるためだという。体重調整も順調のようだ。試合2日前の会見では「死を覚悟して闘いに臨みたい」という言葉も飛び出した。
スピード、テクニックなどトータルな実力で井上が圧倒的に有利という前提での話だが、やはりネリの連打は要注意。パワフルなだけでなく軌道やタイミングはいかにもやりにくそうだ。ネリにチャンスがあるとするなら、序盤のうちに得意のラッシュに巻き込んでしまうパターンか。
逆に言えば、そんなピンチの可能性まで含め、緊張感をもって準備してきたのがチャンピオン。ネリが積極的に攻めてくれば隙も生まれるから、早いラウンドでの井上勝利があるかもしれない。会見でも「必ずKOにつなげて勝つ姿を」と語っている。
“恐さ”のある相手だからこそ、井上の“強さ”もまた研ぎ澄まされる。加えて今回は東京ドームのメインという舞台もモチベーションにつながる。
東京ドームでボクシングの興行が開催されるのは34年ぶり。その時メインを張ったのはマイク・タイソンだった。1990年2月11日のことだ。伏兵ジェームズ“バスター”ダグラスにタイソンがKOされたドーム決戦の4日前には、現役時代の大橋秀行会長が世界タイトルを獲得している。会場は後楽園ホール。
そして今回、大橋会長は自分が育てた選手とともにドームへ。そんな歴史も、井上の背景にはあるのだ。
また井上はSNSで「アメリカに来て試合をしろ」という声に「今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」と返答している。
日本ボクシング界の歴史、さらには軽量級というカテゴリーそのものまでも背負って井上は闘う。試合をするのはあくまで自分のためだと井上。自分のために闘い、勝つからこそ周囲のためにもなるのだと考えている。自分が成し遂げてきたことに「まだ満足していない」という王者のキャリアは、ここからまた前人未到の領域を開拓していくことになるだろう。
文●橋本宗洋
東京ドームでボクシングの興行が開催されるのは34年ぶり。その時メインを張ったのはマイク・タイソンだった。1990年2月11日のことだ。伏兵ジェームズ“バスター”ダグラスにタイソンがKOされたドーム決戦の4日前には、現役時代の大橋秀行会長が世界タイトルを獲得している。会場は後楽園ホール。
そして今回、大橋会長は自分が育てた選手とともにドームへ。そんな歴史も、井上の背景にはあるのだ。
また井上はSNSで「アメリカに来て試合をしろ」という声に「今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」と返答している。
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文●橋本宗洋
【動画】接触寸前! 火花バチバチ、緊迫のフェイスオフ
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日本ボクシング史上最大規模の世界戦!「死を覚悟」の“最恐”ネリに対し、“最強”井上尚弥の強さが際立つか?
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