間もなく開幕する今季2つ目のテニス四大大会「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ/クレーコート)は、現地23日に男子シングルスの本戦ドロー(組合せ)を発表。1回戦からいきなり同大会史上最多の14度の優勝を誇るラファエル・ナダル(スペイン/元1位/現276位)と、ツアー通算22勝をマークしている元世界2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現4位)が対戦するという超好カードが実現することとなった。

 4月の「バルセロナ・オープン」(スペイン・バルセロナ/ATP500)で約3カ月ぶりに実戦復帰したナダルは、今大会にプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)9位を使用して出場。

 ただしドローでは現在の世界ランキングが考慮されるため、初戦からトップ選手と当たる可能性があった。とはいえまさか優勝候補のズベレフと対戦することになろうとは思っていなかったファンは多いのではないだろうか。

 この顔合わせを見て鮮明に思い出されるのが、2人が最後に対戦した2022年の全仏準決勝だ。この時は序盤から互いに一歩も譲らない激しい展開となるも第2セットの終盤でズベレフが右足首の大けがを負って無念の途中棄権。メディカルタイムアウトを経てコートに戻ってきたズベレフが松葉杖を突きながら主審にリタイアを告げたシーンはまだ記憶に新しい。
  約2年越しに実現するナダルとズベレフの超好カードを楽しみにしているのは選手も同じだ。現在開催中の「ゴネ・ジュネーブ・オープン」(5月19日〜25日/スイス・ジュネーブ/クレーコート/ATP250)でベスト4入りを果たした世界1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)がその1人。準々決勝勝利後の記者会見では次のように所感を語った。

「全仏のショータイムになるだろうし、試合を見るのが楽しみだ。(センターコートの)ナイトセッションに組まれる可能性はあると思う。コートコンディションの関係上、ラファは夜に試合をすることは避けたいとは思うけどね。ズベレフは絶好調だから非常に興味深い試合になるだろう。ただ、ローランギャロス(試合会場名)=ラファ(ナダル)だからね…」

 ローランギャロスの象徴と称されるナダルと悲願の四大大会初優勝を狙うズベレフ。周知の通りナダルは今年が最後の全仏になることが濃厚なため注目度はより一層高まりそうだ。果たして今回はどちらに軍配が上がるのだろうか。

文●中村光佑

【画像】ナダルが14度目の栄冠! 全仏オープン2022で活躍した男子選手たちの厳選写真!

【関連記事】世界5位ズベレフがマスターズ初優勝した思い出のローマで再び頂点に!「本当に特別な1週間だった」

【関連記事】ナダルのコーチが全仏オープンを目前に控え現状を語る!「このようなコンディションなので、今は一日一日、前進すること」