悲願の頂点には一歩届かなかった。

 現地6月23日、バレーボール最強国決定戦「ネーションズリーグ」は女子の決勝戦がタイ・バンコクで行なわれ、大会初の金メダルを目指した日本代表(世界ランク6位)はイタリア代表(同1位)と激突し、セットカウント1-3(17-25、17-25、25-21、20-25)で惜敗した。パリ五輪の試金石に位置付けられた今大会は、銀メダルの結果で幕を閉じた。

 前日は世界ランク1位(試合前時点)の格上で、パリ五輪1次リーグで同組のブラジルをフルセットの末に撃破した。初の金メダルをかけて、日本はブラジル戦で最多21得点を挙げた和田由紀子と、サーブやブロックでの活躍が光った宮部藍梨をスタメンで起用した。

 日本はイタリアの強打に対応できず序盤から3連続失点を献上するなど、劣勢な展開となる。古賀紗理那のスパイクなど3連続得点を挙げて追いかけるが、相手の高いブロックに阻まれるなど、試合のリズムを掴めないまま第1セットを落とす。

 流れが悪いと見るや、眞鍋政義監督は早速動く。第2セットのスタートから和田に代えて林琴奈​​​​を投入し、攻撃のリズムを変えようと図る。しかし第1セット同様、相手エースであるエゴヌの打点の高いスパイクが何本も襲い、日本は2枚ブロックなどで奮闘するもリーチが長い相手にボールを押し込まれてしまうなど、パワーで圧倒されてイタリアに連取される。
  崖っぷちの日本は第3セットの頭から荒木彩花、第2セット途中から石川に代わって入った井上愛里沙を引き続き起用した。イタリアの破壊力ある攻撃に苦戦するも、日本は中盤からバックセンター攻撃が機能し始め、古賀と井上が連続得点を挙げてリードを奪う。攻撃のリズムが出てきた日本はレシーブがつながり、井上が2本連続サービスエースを決めるなど、決定打が出てこのセットを奪い返した。

 勝負の第4セットはイタリアが主導権を握る。引き続きエゴヌにボールを集めて連続得点を奪い、序盤から日本を突き放す。負けられない日本はレフトから古賀、中央から山田二千華のクイック攻撃などで食らい付くが、なかなか点差を詰められない。眞鍋監督は和田、石川真佑を再びコートに入れてなんとか攻撃の修正を図るが、トスの呼吸が合わない細かいミスもあり、ついにマッチポイントを握られる。最後は古賀のスパイクがシャットアウトされ、イタリアの歓喜の雄叫びが会場に響き渡った。

 ネーションズリーグ過去最高成績となる銀メダルに終わった日本は今後、7月28日に開幕するパリ五輪で1次リーグB組に入ったブラジル、ポーランド、ケニアと対戦する。

構成●THE DIGEST編集部

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