山田裕貴が主演を務める金曜ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)に日向亘と片岡凜が出演中。同作で、日向は名門高校に通う医者志望の受験生・江口和真を、片岡は和真の彼女で同じ高校に通う佐藤小春を演じており、SNS上では若い二人が抱える“秘密”にも注目が集まっている。このたび、WEBザテレビジョンではカップル役を演じる日向と片岡にインタビューを実施。自身のキャラクターの変化や、互いの印象、そして撮影現場でのエピソードなどについてたっぷりと語ってもらった。

■金子ありさ氏が手掛ける予測不能なヒューマンエンターテインメント

同作は、未来の荒廃した世界にワープしてしまった人々が元の世界に戻ろうとする姿を描く、完全オリジナルの予測不能なヒューマンエンターテインメント。脚本は「恋はつづくよどこまでも」(2020年)や「着飾る恋には理由があって」(2022年、ともにTBS系)など、幅広い世代の女性たちに支持された作品を多数執筆してきた金子ありさ氏が担当する。

同ドラマにはカリスマ美容師・萱島直哉を演じる山田や、若き消防士・白浜優斗役の赤楚衛二、心根の優しい高校の体育教師・畑野紗枝役の上白石萌歌が出演。

また、偶然か運命か、直哉らと共に“サバイバル生活”を送ることになる乗客役として、日向と片岡のほか、井之脇海、古川琴音、藤原丈一郎(なにわ男子)、杉本哲太、松雪泰子ら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。

■ 小春は「実はすごく優しくて愛嬌のある女の子」

――ここまでの撮影を振り返ってみて、ご自身のキャラクターにはどのような変化がありましたか?

日向亘(以下、日向):和真は第1話の後半で、小春と「もうこの人たちと一緒にいるのやめよう」と言って外に出るのですが、赤楚さん演じる優斗の懸命な説得によって、少し心が動かされます。ですが、乗客たちの中に溶け込むというのはなかなか難しくて。

そんな中、第3話で山田さん演じる直哉のアシストがあったり、ほめてもらったりして、ちょっとだけ心を開いて、みんなとの一体感が出たのは第4話かなと思っています。

和真自身、大人を軽蔑したり拒絶していたところがあったと思うのですが、(サバイバル生活を経て)少し改善してきていて。そういった変化は僕自身も意識して演じているので、皆さんに伝わっていればいいなと思っています。

片岡凜(以下、片岡):小春は信頼している人以外あまり自分の中に迎え入れない性格なので、第1話や2話ではずっと和真の隣にいて、他の人を寄せ付けないという印象が強いので、どちらかというとツンツンしている女の子に見えるのですが、実はすごく優しくて愛嬌のある女の子なんです。

だんだんと“ペンディング”された状況で自分はもうこの人たちと一緒に生きるしかないということを彼女なりに受け入れ、どうやって周りの人とコミュニケーションを取っていくのかという部分が今まで描かれてきました。

これから小春の内面にある明るさや優しさがいろんな人に向けられていくっていうのが見どころの1つ、そしてキャラクターの特徴なのかなと思っています。


■和真と小春は「互いを補い合う関係」

――お互いの第一印象と、共演して知った一面を教えてください。

日向:事務所の先輩の妻夫木(聡)さんが不定期で開催されているワークショップに参加させていただいているのですが、その中で他事務所の同世代の女優さん、俳優さんも来ると聞いていた回があって、その時に来ていたのが凜ちゃんだったんです。

ワークショップではあまり話す機会がなかったのですが、「ペンディングトレイン」の衣装合わせの時に再会しました。 すごく落ち着いているし、話し方や佇まいが上品な方なので、僕も勝手に意識して上品な感じでやっているのですが、あんまりできていないかもしれません(笑)。

実際に話してみたり、いろいろ相談させてもらうと、同い年だなと感じることもあって、共通の話題もたくさんありますし、話しやすくて。最初は僕が適当なところがあるので「もしかしたらあまり話しが合わなかったりするのかな」と思っていたんですけど、今は仲良くお話させてもらっています。

片岡:最初にお会いした時からすごく明るくて、いろんな方に優しく接することができる方だなという印象が強くて。実際に現場でご一緒させていただている間でも、周囲を巻き込む力があるというか、コミュニケーション能力が高くて、本当に“陽の方だな”と。ムードメーカーで、現場が和むような存在です。

――高校生役のお二人は「vs大人」の象徴だと思いますが、撮影の合間に話し合ったことはありますか?

日向:僕は、和真がただ単に反抗期の子供に見えないようにしていて。明確に大人を毛嫌いする経験があるからこそ、こういう態度を取るというしっかりとした理由があるので、子供っぽくなりすぎないように意識しています。

片岡:小春と和真はどうしてもセットになっているような感じがあって。 例えば小春が不安を感じていたら、台本にはないけど和真に寄り添うとか、何か一言欲しいとか。 互いのキャラクターをちゃんと理解した上で、どうやって互いを尊重していくかというやりとりは現場でさせていただいています。

日向:最初の方に監督に言われていたことなのですが「和真が先導して大人を嫌っていく、そして小春は和真の意思を尊重しているんだ」と。

小春はお父さん、お母さんを思う描写もあって、すてきなご家族に愛されて育ってきた女の子のイメージが僕としてはあるので、小春は和真が1人にならないように気遣ってくれていて。どちらかというと小春の方が大人になじむ能力があるのですが、二人は“互いを補い合う関係”じゃないですけど、小春は和真の決断力に少し頼ってる部分があると思うので。

二人はセットだけれど、互いに長所と短所を持っているので、そこを大事にしていきたいなと思いながら演じています。


■積極的に“相談”する共演者の姿勢に感化「とても重要になる」

――周りからの反響はいかがですか?

日向:めちゃくちゃありますね。リアルタイムで見てくれている友達も多くて、都度感想を送ってくれるんです。視聴者の皆さんの声っていうのはすごく届きますし、僕もたくさん見させていただいているんですけど、身近な人からいただく感想っていうのは、自分を知っている人だからこそ興味深くて。

自分が考えてお芝居したものが、視聴者の友達に伝わっていたりするとうれしいなと思いますし、直接届く感想は僕の毎週の楽しみの1つになっていますね。

片岡:家族や知り合いの方が見てくださっているのですが、改めていろんな側面を持っている作品だなと思っています。

見てくださっている方からお話を聞くと皆さんにエネルギーを届けられているんだなと実感することが多くあって、すごくうれしいなと思っています。

――「ペンディングトレイン」の現場を経て成長したと感じる部分はありますか?

日向:僕が以前「Get Ready!」(TBS系)で白瀬というキャラクターを演じた時は、第1話から10話の成長を意識して演じたのですが、 その中でたくさん反省することもあったんです。

今回のお話を聞いた時、大人に対する不信感がある点は(前クールで演じた白瀬に)似ているなと思ったので、“ペンディング”された世界で大人たちと関わる中で、和真が成長していく姿を、全10話を通して演じていければいいなと思っています。今作では「Get Ready!」での反省点が活かされているような気がします。

片岡:今回の現場でいろんなキャストの方が、分からないことや、ちょっと疑問に思ったことを監督に相談しに行かれている様子をたくさん拝見していて。

自分の中だけで解決してしまうのではなく、周りの方とどうコミュニケーションをとって、キャラクターを確立させていくかというのがいかに大切かということを、とても勉強させていただいていますし、台本にないことを1人の人間の人生として、リアルに考えられるかどうかというのがとても重要になるなと思います。


■山田裕貴の具体的な“アドバイス”で芝居に変化が

――撮影の中で刺激を受けたことや、共演者の方にいただいたアドバイスで印象的なものはありますか?

日向:第1話で和真と小春が出ていく時に大人に対してズバっと言うシーンがあるのですが、そのシーンの撮影時に山田さんがいろいろとアドバイスをしてくださいました。

ドライの段階で、僕は淡々と静かに刺していくイメージがあったのですが、山田さんから「和真が冷静でクールなところっていうのは前半で描けてると思うから、ズバっと感情的になっちゃっていいんじゃないかな」と言ってもらった時に、「たしかに普段冷静な人が感情的になったらより響くだろうな」と感じたんです。

その後も意見を聞くたびに「いいと思うよ」とか「もうちょっとこうしてみた方が面白いんじゃない」とアドバイスしてくださって。 それを軸に僕なりに表現したいことを足してできたのがあのシーンだったので、とても印象に残っています。

片岡:実際に私がいただいた言葉ではないのですが、自分がメインで映るシーンの撮影前に小春の気持ちをすごく考えていたのですが、ちょっと難しい部分もあってどう見せようか1人で悩んでいたんです。

その時に、休憩で近くに座っていた山田さんが「本物になればいいんだよ」とさりげなく言っているのが聞こえて“これだ!”と思って。その瞬間余計な考えが全部なくなって、直感でやってみようと思い、そのまま撮影に挑みました。

――最後に第7話の見どころと読者へのメッセージをお願いします。

日向:第6話で6号車の方たちとぶつかって、ちょっとした騒ぎが起きまして。そこで対立をして、でも、誤解があったことに気づいたのを機に、5号車の関係性というか“チーム感”がより一層強くなったなと感じています。

第7話では小春と和真がペンディングされる前の姿も描かれるので、二人の関係性を見ていただきつつ、1つの分岐点になる回だなと感じているので、ぜひ見ていただければと思います。

片岡:日向さんもおっしゃったように、第7話はこれから私たちがどうなるかっていうところの1つの大きなターニングポイントになると思います。

今後乗客たちがどうなるのかっていう部分には、もちろん注目していただきたいですし、小春と和真の関係性がだんだん変わってくる回でもあるので、ものすごく注目していただきたいです!

日向:“ものすごく”です、よろしくお願いします!