櫻井翔主演のドラマ「新空港占拠」(毎週土曜夜10:00-10:54、日本テレビ系/Huluにて配信)。3月2日に放送された第8話で、12人いると予想された獣の面をかぶった武装集団で、まだ謎の存在だった“犬”の正体が明らかになった。(以下、ネタバレを含みます)

■視聴者の考察で話題になっていた“犬”

本作は、2023年に放送された「大病院占拠」(日本テレビ系)の続編。神奈川県初の国際空港「かながわ新空港」を突如として獣の面をかぶった武装集団が占拠。神奈川県警捜査一課の武蔵三郎(櫻井)が再び巻き込まれる。与えられた期限はわずか1日。極限状態で繰り広げられるタイムリミット・バトル・サスペンスとなる。

武蔵の妻で心臓外科医の裕子を比嘉愛未、裕子に接触する謎の男・大河をジェシー(SixTONES)、事件の指揮官を務める神奈川県警刑事部捜査一課特殊班(SIS)管理官・和泉さくらをソニン、武蔵の姉で人質となっている神奈川県議会議員・二葉を奥貫薫が演じる。

第8話は、“裏切り者”があぶり出される衝撃の連続だった。獣集団を離脱して単独行動していると思われた“鼠”こと大河に、“兎”の浜松奏(安斉星来)とその姉である“羊”の詩(山本千尋)がひそかに協力していることがあぶり出された。さらに、獣リーダーの“龍”こと駿河悠月(高橋メアリージュン) は気づいていないが、“猪”の松長仁(後藤剛範)と“鶏”の重原瀬奈(山谷花純)も大河一派であることが分かった。

そんな獣集団は、十二支の面をかぶっているが、空港を占拠した10人と、大河のほかにもう一人、“犬”がいることが予想された。考察でも焦点となっていたその正体が、ラストで明らかになった。


■情報分析官・岩槻「本番はこれから」の意味

予想通り、という視聴者も多かったかもしれない。“犬”は、指揮本部でさくらの指示のもと動いていた情報分析官の岩槻(白石聖)だった。

警察からみれば“裏切り者”であった岩槻。冒頭、大河に拉致された裕子の命がかかっているなか、岩槻は隣席にいる同じ情報分析官の志摩(ぐんぴぃ)から「新人なのに、連続100半荘(ハンチャン)してるみたいな大変な事件で」と心配されると、「いえ、本番はこれからなので」と答えていた。振り返ると、その言葉が意味深なものになってくる。


■白石聖の演技にゾクッ

獣たちが武蔵と交渉するために使っている動画チャンネルに流した映像で正体を明かした岩槻。犬の面をとったその素顔は、まったく表情がなく、でもハッとする美しさだった。そして、武蔵やさくららが驚きの表情で見つめた、デスクからすっと立ち上がった岩槻の表情も同様だった。

放送後、この静かに立ち上がる岩槻のシーンについて、脚本家の福田哲平氏は自身のXで「犬の正体が明らかになったシーン。台本ではこのようになっていました」と画像で公開。そこには「(能面のような表情で)――」とあり、福田氏は「表情が豹変した白石さんの演技、圧巻でした。めちゃくちゃ怖かった」ともつづった。

白石は福田氏の投稿を引用し、「能面の画像を見て学びました。笑」と明かしたが、視聴者もその演技を称賛。

さらに、物語では、武蔵用のインカムに爆弾を仕掛け、指揮本部を占拠した岩槻。悠月ら獣の次なる目的は、30年前に武蔵の兄・健一が失踪した真実を二葉が話すことだ。

警察に潜入といえば、前作の「大病院占拠」で、今回の獣のメンバーである駿河(宮本茉由)が同じ立ち位置だったわけだが、岩槻は周りが警察官ばかりの中で平然と武蔵に爆弾を仕掛けるところまで成功させた強者だ。

これには「想像を超えてやばいやつ」「鳥肌」「めっちゃ怖いじゃん」と、恐怖心をあおった。

そんな恐怖と緊迫状態の本作。次回、3月9日(土)放送の第9話では、悠月と駿河の過去と武蔵との接点、そして空港建設の本当の目的が明らかになる。

◆文=ザテレビジョンドラマ部