日本最大級のCS映画専門チャンネル「ムービープラス」では、年を重ねるごとに魅力が増していくベテラン俳優たちが出演するアクション映画を特集する。2024年の米・アカデミー賞で映画「オッペンハイマー」(2023年)に出演した、キリアン・マーフィー(47歳)とロバート・ダウニー・Jr.(59歳)がそれぞれ主演男優賞、助演男優賞を獲得し、日本アカデミー賞では役所広司(68歳)が最優秀主演男優賞に輝くなど、いま世界的にベテラン俳優が元気だ。体力が衰えるどころか色気たっぷり、時には激しいアクションで世界を魅了する姿は、全世代の地球人に勇気と希望を与えるだろう。世代・性別を問わず、いつの時代もイケてるオヤジ、つまり“イケオジ”は憧れの対象だ。そこで、今回は多くの人が憧れる希望の星と言ってもいい、現役“イケオジ俳優”たちを紹介しよう。

■79歳で7人目の子ども誕生!“生涯現役”のロバート・デ・ニーロ

まずはハリウッドの名匠マーティン・スコセッシ監督の盟友であり、現在80歳のロバート・デ・ニーロ。彼といえば初期作品の「タクシードライバー」(1976年)をはじめ、「ゴッドファーザー」(1972年ほか)シリーズ、「グッドフェローズ」(1990年)、そして最新作「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」(2023年)など名だたる作品が代表作として挙げられる。

50年以上にわたる俳優生活を誇るデ・ニーロは、駆け出しの20代の頃からハンサムな顔立ちと重厚な犯罪ドラマの中で見せる演技が魅力的だったが、年齢を重ねるごとに渋さも加わり、 “殿堂入り級”のイケオジ俳優といっても過言ではないだろう。

プライベートでは既に孫のいる“おじいちゃん”だが、2023年には79歳で7人目の子どもが生まれたことを明かし、「元気過ぎるだろ…」「格好いい」「希望の星だ!」などと世界に衝撃が走った。

そんな仕事も私生活も“生涯現役”のデ・ニーロは、アクションコメディー「ミッドナイト・ラン」(1988年)では警察官を退官し、ロサンゼルスで賞金稼ぎをしている孤独なジャックを演じた。ギャングの金を横領した会計士・マデューカス(チャールズ・グローディン)を捕まえたことから、彼を追うマフィアとFBIの両方に追われることになるロードムービーだ。しかし公開当時、「トップガン」(1986年)や「ランボー」(1982年)など派手なアクション映画が盛んだったということもあり、本作でも激しい銃撃戦を繰り広げたり、飛行機を使ったスタントアクションを披露したりと、豪快なアクションシーンがたっぷりと展開する。

特筆すべきは、池田勝がデ・ニーロを、羽佐間道夫がグローディンを演じた地上波追録版の魅力だ。2人のコミカルな掛け合いに名声優たちが更なる魅力を吹き込んだ傑作吹替は必聴。

■彫刻ボディーが美しい、元飛び込み選手のジェイソン・ステイサム

一方、元水泳の飛び込み選手で、ファッションモデルから俳優に転身したという経歴を持つジェイソン・ステイサムは、衰えない体力とハリウッド屈指の美しいマッスルボディーを武器に、“マッチョ系イケオジ俳優”の代表格として女性人気はもちろん、坊主頭の男性陣にも輝ける勇気を与えている。「ワイルド・スピード」(2001年ほか)シリーズをはじめ、アドレナリン全開でアクションシーンに挑む彼は、現役アスリートも顔負けの身体能力の持ち主。自身のオフィシャルInstagramでも、彫刻のようなボディーを披露しており、老いを感じさせないどころか年々パンプアップしていくたくましい姿が垣間見える。

そんな彼は「バトルフロント」(2013年)では、元麻薬潜入捜査官・フィルを演じ、愛娘を守るために強い覚悟で奮闘する“強いパパ”を見事に演じきった。また、同作はステイサムと同じく鋼のボディーで衰えを知らない現在“喜寿”のシルベスター・スタローンが製作・脚本を務めており、イケオジ俳優同士のタッグから生まれる、激しいアクションが堪能できる作品となっている。

■役所広司、キー・ホイ・クァン、まだまだいるイケオジ俳優

もちろん日本のイケオジ俳優も元気だ。イケオジと呼ぶのはやや恐縮するが、ヒューマンドラマから警察・極道ものまでどんな役柄もこなす名優・役所広司は、菅田将暉、仲野太賀といった30代の役者たちにも大きな影響を与えている。役所は、世界最高峰のエレベストを舞台にした日中合同作映画「オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁」(2019年)で、氷壁からワイヤーでつり下げられて相手と闘うワイヤーアクションに挑んだ。日々のトレーニングもそうだが、役者を続ける中で、年を重ねても常に上を目指す姿勢に勇気をもらう人も多いだろう。

その他、子役時代に「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984年)や「グーニーズ」(1985年)に出演して一躍有名になり、2023年に「第95回アカデミー賞」作品賞を受賞した「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022年)で、助演男優賞を受賞した52歳のキー・ホイ・クァンの名も挙げておきたい。

武術指導のアシスタントなど制作スタッフとして長く働き、俳優としてのブランクを経て再び表舞台に現れるやいきなり世界中のファンをとりこにしたクァンは、同作でアクロバティックなカンフーを披露するなど、多彩なアクションでも魅了している。劇中で見せる姿だけではなく、再び俳優として復帰することを決意し、生き生きと輝いている彼の姿に多くの人たちが感動した。

いくつになっても輝き続け、生涯現役でアクションシーンを体現する彼らの姿を名作映画とともに楽しんでみてはいかがだろうか。

なお、ムービープラスでは「オヤジたちの激熱アクション」特集と題し、デ・ニーロ主演の「ミッドナイト・ラン【地上波追録版】」やステイサム主演の「バトルフロント」に加え、「サタデー・ナイト・ライブ」の元脚本家で「ベター・コール・ソウル」で主役を張った大注目の俳優ボブ・オデンカークが「ジョンウィック」制作陣とタッグを組んだ「Mr.ノーバディ」(2021年)、ブルース・ウィリス主演のSFサスペンス「サロゲート」(2009年)や、チャールズ・ブロンソンを世に知らしめた大傑作「狼よさらば」、関西弁を操る武術家スティーヴン・セガールの「沈黙の達人」といったアクション映画が放送される予定だ。

◆文=suzuki