4月28日(日)放送の「Style2030 賢者が映す未来」(毎月第3日曜朝10:00-10:54、BS-TBS※今回は第4日曜日に放送)に、ゲストとして今年歌手生活54周年を迎える野口五郎が登場する。同番組は、ホストの龍崎孝(ジャーナリスト)が、さまざまな分野の第一人者の方をゲストに迎え、SDGsの達成期限である「2030年」に向け、私たちの思考や暮らしの在り方をどのようにリセットするのかを語るトーク番組。ゲストはSDGs17の目標から2つをトークテーマとして選んでいるが、野口は「全部」を選んだ。

■野口は歌手、そして情報技術者としての一面を持つ

歌手として広く知られる一方、複数の特許を持つ情報技術者として意外な一面を持つ野口。QRコードをスマートフォンに読み取ることで、ライブなどのコンテンツを視聴できるサービス「テイクアウトライブ」を開発。2020年にはそのアプリをベースに新型コロナウイルス感染者の発生を通知するアプリ「テイクアウトライフ」を開発した。

さらに音楽に“豊かさ”を加える「DMV」アプリを提供している。そんな野口さんの提言は「未来へ引き継ぐべきは豊かさ」と「アナログを置き去りにしない」。

「豊かさ」が失われていく例を現代で例えると、お店に行けば店員との会話が生まれるが、デリバリー サービスの場合は便利な反面、会話がなくなってしまう。このように「会話」がなくなることが、「豊かさ」が失われているということだという。

また、歌手である野口はCDやデジタル音源が消している「深層振動(DMV)」(人の耳には聞こえない低音や低周波の音)に注目。聞こえない音にこそ、「音楽の豊かさ」があるのではないかと研究・開発している。


■“豊かさ”や“アナログ”を残すのは「スーパーヒーローみたいな仕事」

野口が13歳のころに書いた譜面や、作曲家・米山正夫先生が書いた譜面を実際に見ながら、その譜面に込められた筆圧や言葉は今見てもそこに生きている、かけがえのないものだと語った。

「デジタル」が進んでいく社会でも、手間がかかる「アナログ」を残し、若い世代が気づいていないことをそっと添えることが使命だという。ホストの龍崎は「それはまるで陰ながらに活躍する『スーパー ヒーロー』みたいな仕事だ」と例えた。

また、ゲストの活動の源になっていることを紹介するコーナー「わたしのサステナ・エンジン」では、野口が上京して初めて住んだ場所「浅草」を上げた。

13歳の頃に誘いこまれた”ある場所”や、浅草で幼少期に書いてもらった似顔絵も公開。過去を振り返っている中で、父親との昔話にも言及し、野口が初の人生の挫折を味わっている時期に父親が東京に来た際、帰り際駅まで追いかけて行っても振り返ってくれな かったことがあったという。

大人になり偶然その時の父親の心境が書かれた紙が仏壇から出てきた。そこにはある“言葉”が書かれており、野口は「自分だったらまねできない」と語った。


■野口五郎 コメント

あまり普段テレビでしゃべらないようなことだったので、自分ではいいのかなと思いつつお話をさせていただきました。途中でどこで歌を歌うんだろうと思っていたのですが、歌うこともなく、最後までずっとしゃべっていました。

でも普通のトーク番組でもないし、自分の考えていることや自分の思っていることをお話しできて今までにはなかった自分の側面や、人に言うこともなかったようなことを言えたのですっきりしました。楽しかったです。