広瀬アリス主演の月9ドラマ「366日」(毎週月曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FODにて配信)。5月13日放送の第6話は、主人公・明日香(広瀬)の高校時代からの友人、智也(坂東龍汰)の転機に涙する視聴者も多かった。(以下、ネタバレを含みます)

■名曲をモチーフにしたラブストーリー

本作は、沖縄出身のバンド・HYの名曲「366日」の世界観に着想を得たオリジナルストーリー。高校時代に実らなかった恋をかなえようと再び動き出した男女が、予期せぬ悲劇に直面しながらも、愛する人を思い続ける壮大な愛の物語が展開する。

音楽教室の事務受付をしている28歳の主人公・雪平明日香を広瀬、明日香が高校時代に思いを寄せていた水野遥斗を眞栄田郷敦が演じる。また、明日香と遥斗の同級生役で、小川智也を坂東龍汰、下田莉子を長濱ねる、吉幡和樹を綱啓永が務める。


■智也が遥斗の姿から自身の人生で大きな決断をする

転落事故による記憶障がいから、中学生までの記憶を思い出した遥斗と明日香のまだぎこちないやり取りが続いた第6話は、“智也回”でもあった。

高校時代は遥斗と共に野球部で甲子園を目指していた智也は、プロ入りを夢見ながら運送会社のチームで野球を続けていた。だが、最近は腕の故障からベンチ入りできない日々。

そんななか、病院から実家に一時帰宅していた遥斗と会った智也は、引退への迷いを口にした。遥斗は共に頑張った日々を思い出せないままで「なんて言っていいか」と詫びるが、「話聞いてくれただけで十分」と智也。一方で、この打ち明け話は遥斗にとっては「一人前の人間としてみてもらえた気がした」とうれしいことだった。

育んだ友情は、たとえ記憶を失っても変わることはない。そんな温もりあるやり取りにグッときたが、その後、智也は大きな決断をした。

「遥斗のおかげで気持ち固まった。今の遥斗ってさ、人生を強制リセットされたようなもんじゃん。それでも頑張って生き直そうとしている。それ見てたら、俺も新しい人生やっていく勇気出てきた」。

智也は、社会人野球を引退し、体調を悪くしていた父の跡を継いで実家の農業に就くことにしたのだ。


■遥斗と智也の友情にもらい泣き

智也の最後の試合。明日香は遥斗、莉子、和樹と共に見守った。9回表の智也の最後の打席はフルカウントまで粘るも、ヒットを出すことはできなかった。だが、9回裏の守備で智也は相手チームの4番打者が打ったボールを懸命に追いかけ、フェンスにぶつかりながら見事にキャッチ。延長回で智也のチームは勝利することができた。

試合後、智也をねぎらう明日香たち。「終わっちまったな…」と球場に向かってつぶやく智也のもとに歩み寄った遥斗は、「カッコ良かった」とポツリ。そして「楽しかった?」と問い掛けた。

智也は、「楽しかった」とうなずき、涙があふれた。精いっぱい、やり切ったからこその「楽しかった」という答えと、涙。夢はかなえられなかったけれど、新しい人生を歩む決意は力強く、美しい。

本作ではラブストーリーであると共に、友情が互いを支え合う様子を丁寧につむいでいる。明日香と遥斗が「味方でいたい」「ずっと一緒にいる」と新たに恋を始めようとしたが、友情もまた、ずっと一緒にいて“味方”でいることだ。明日香は遥斗をサポートしつつ、自分の夢だったクラリネット講師に挑戦する決意を。遥斗は、そんな明日香や智也の姿から「何もしないうちから、諦めたくない」と退院したら元の会社に戻りたいと願う。

SNSには「遥斗の『楽しかった?』で涙腺崩壊」「楽しかったって思えた智也にも泣いてしまう」「人生を強制リセットって、深い」「遥斗と智也の友情に感動」「考えさせられた回だった」「みんな良い方向に進むといいな」などの反響があった。

◆文=ザテレビジョンドラマ部