■宮藤官九郎節がさく裂した「不適切にもほどがある!」が最優秀作品賞
2024年1〜3月放送ドラマを対象に開催した第119回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。最優秀作品賞は、阿部サダヲが主演した「不適切にもほどがある!」(TBS系)が受賞。宮藤官九郎の脚本で、“昭和のおじさん”小川市郎(阿部)がひょんなことから1986年から2024年の現代へタイムスリップする同作。「ミュージカルも交え、それぞれの時代の楽しさと生きづらさを描き、どちらも否定しない結末が良かった」と評価された。

番組を手掛けた磯山晶プロデューサーは受賞を受けて、「作品賞を含む6部門受賞、とてもうれしいです」と喜びの声。「このドラマは阿部サダヲさんを主役に、おじさんがとにかく頑張る姿を描こうと思って企画しました。昭和パートはおことわりのテロップを入れ、“チョメチョメ”など不適切ワードも当時のままに。令和のパートはテレビ局を舞台にし、日頃感じていた違和感などを取り上げました」と語る。

■「宮藤さんと阿部さんのコンビは呼吸がぴったり」
「宮藤さんと阿部さんのコンビは、長年組んできた漫才コンビのようで、笑わせる場面も泣かせるところも呼吸がぴったり」と振り返る磯山Pだが、自身もこれまで「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)など10本の連続ドラマで宮藤とタッグを組んできた。今回初めてドラマプロデュースを担当した天宮沙恵子Pは、「宮藤さんと阿部さんのコンビもそうですが、宮藤さんと磯山さんがお互いのこだわりを尊重しながらドラマを作り上げていく過程に、感動しました」と名コンビの仕事ぶりを目の当たりにした思いを明かした。

現代社会の問題に切り込みながらも笑って泣ける展開が視聴者に支持された同作。磯山Pは「昭和と令和のギャップを現時点の私たちの解釈で描きつつ、笑いと歌にこだわりエンタメのパワーが発揮できた作品になったと思います」と胸を張った。