サプライズチームに待ち受ける夏の試練

昨季のセリエAにおいてのサプライズチームと言えばクラブ史上初のチャンピオンズリーグ出場権を獲得したボローニャだろう。しかしながら、今夏のボローニャはチアゴ・モッタ監督のユヴェントス移籍を皮切りに戦力流出にどれだけ耐えられるかという試練が待ち構えている。

ボローニャの名ディレクターとして知られるジョバンニ・サルトーリ氏はリミニで開催されたセリエAの移籍市場開幕イベントであるグラン・ガラの冒頭で、チームのストライカーであるジョシュア・ザークツィーの移籍に関して4000万ユーロの放出条項を理由に「99%出て行くだろう」と語った。

『Sky Sport Italia』によると今季リーグ戦34試合出場し、11得点6アシストを記録したザークツィーの移籍先の有力候補はミランとマンチェスター・ユナイテッドと言われている。ミランは個人間合意にまで至っているが、代理人の要求する1500万ユーロのコミッションの支払いに対して難色を示していることから、マンUも入札を検討しエリック・テン・ハーグ監督が直接コンタクトをとっている状況だという。

一方でEURO2024でイタリア代表として評価を上げたリカルド・カラフィオーリは何としてでもチームに残したいところだろう。サルトーリ氏は「カラフィオーリと契約したのは約1年前だから、どうなるかはまだわからない」とし、「ユヴェントスの話も上がっているが、彼がユヴェントスに行くとは思っていない。移籍する場合は国外になると思うが、我々は彼の引き止めに全力を尽くす」と語っている。

現在22歳のカラフィオーリは昨夏にFCバーゼルから400万ユーロで加入し、現在は約4000万ユーロまで価値が急騰しているという。しかし、契約の一部にボローニャはバーゼルに売却料の40%を支払う義務がある状況だ。

ユヴェントスがカラフィオーリ獲得の最有力候補のままだが、リヴァプール、トッテナム・ホットスパー、レアル・マドリード、アーセナル、チェルシーなどの各国のビッグクラブも興味を示している。来季から始まるCLでの戦いに向けてボローニャはカラフィオーリの流出を何としてでも阻止したいところだ。