宮崎駿さんが10年ぶりに監督を務めた映画『君たちはどう生きるか』が11日、アメリカ映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞で、長編アニメーション賞を受賞しました。  愛知県長久手市のジブリパークは、16日のリニューアルオープンに向けて休園していますが、全国各地から訪れたジブリファンが、受賞を喜んでいました。  記者会見に立った鈴木敏夫プロデューサーは…。 鈴木敏夫プロデューサー: 「オスカー像ってね、1個もらえるじゃないですか。実は何個も注文すれば、お金を出せば作ってくれるんですよね。さっき3個注文しました。どうもありがとうございました」  引退宣言を撤回した宮崎監督の10年ぶりの作品となる『君たちはどう生きるか』は、太平洋戦争中に母親を失った少年が、青サギと人間の姿を行き来する「サギ男」と出会い、不思議な世界に迷い込む物語です。

 日本の作品が長編アニメーション賞を受賞したのは、2003年の『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶりの快挙です。  ジブリパークのある愛知県長久手市のモリコロパーク。現在ジブリパークは、16日のリニューアルオープンに向けて休園していますが、全国各地から訪れたジブリファンの姿がありました。

 アカデミー賞の受賞に、来場者も興奮した様子です。 横浜から来た女性: 「受賞したのは本当に嬉しいです。もっとジブリ作品が世の中に広がってほしいんですよね」 名古屋から来た2人: 「めっちゃ誇らしいよね」 「千と千尋の時から久しぶりにですから」  中には「君たちはどう生きるか」の作品内容を独自の見解で分析するファンもいました。 熊本から来た女性: 「自分がどう生きるかを考えている人も見た方がいいと思うし、自分たちがどう生きたかが見えるような気がして。今までの人生を振り返る、自分がどう生きたかを考える作品にもなっているのかなと思いました」  16日にリニューアルオープンするジブリパークでは、メインエリア「ジブリの大倉庫」の中央展示室の屋根に、劇中に登場する「青サギ」のオブジェが登場します。

 その近くの屋根には「ペリカン」、そして中央階段の近くには、料理をしている「インコマン」の姿もあります。

 いずれもリニューアルで新たに登場するオブジェで、アカデミー賞受賞で一層注目されそうです。  今、名古屋ではほかにもジブリを感じられる場所があります。9日から中区の松坂屋美術館で始まった「新・山本二三展」です。

 宮崎作品で『天空の城ラピュタ』や『もののけ姫』などの背景を手掛け、アニメーション美術の創造者といわれる山本二三さんの足跡を紹介しています。  宮崎監督がこれまで以上のクオリティを背景に求めたといわれる『もののけ姫』では、屋久島を取材して描いた太古の森の背景画を見ることができます。

親子: 「(子供が)春休みに入ったので、ジブリが好きなので来ました」 「トトロ(が好き)」 20代女性: 「(『君たちはどう生きるか』は)今までと全然違うというか」 別の20代女性: 「世界的に有名な監督だと思うんですけど、自分の好きを貫いているのかなというところが、一番すごいなと尊敬しています」  アカデミー賞の受賞で、愛知のジブリスポットはさらに盛り上がりそうです。 (C)2023 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli 『君たちはどう生きるか』全国公開中