2024年3月、バッテリーが壊れていた電気自動車をインターネットオークションで販売し、代金をだまし取ったとして男が逮捕されました。  2月に公表された調査では、ネットフリマやオークションを利用したことがあると答えた人が3割いて、そのうちの2割以上がトラブルを経験したことがあると回答したということです。トラブルのケースや注意点を専門家に聞きました。

■注意が必要な「個人間取引」や「サイト外取引」

 兵庫県加古川市に住む46歳の職業不詳の男は2023年8月末、インターネットオークションサイトに電気自動車を出品し、バッテリーが壊れているのに「充電は普通充電、急速充電ともショッピングセンターや自動車ディーラーで確認済みです」などと虚偽の情報を掲載したうえ、名古屋市緑区に住む51歳の会社員の男性に販売して、28万9910円の利益を得た詐欺の疑いで2024年3月、逮捕されました。 警察によりますと男が販売した電気自動車は、充電はできない状態でしたが、バッテリーに残っていた電気で車を動かし、男性に引き渡したということです。 2024年2月に発表された「オンライン上での個人間取引サービス」に関する調査によりますと、3割を超える人が、「フリマ・ネットオークションを利用したことがある」と回答し、そのうちの2割以上が「トラブルを経験したことがある」ということです。(株式会社TRUSTDOCK×MMD研究所調査)

熊本県熊本市が2020年4月に注意を呼びかけた被害では、フリマアプリで入手困難なブランドのパーカーをおよそ2万円で購入したが、生地に違和感がある明らかな偽物が届いたといいます。

しかし出品者は返品に応じず、アプリ運営事業者に相談しても「当事者間で解決してほしい」と言われたといいます。個人間取引となるため、トラブルが発生した際には、当事者間で解決するのが原則で、解決は難しいということです。 また「全国消費生活相談協会」が紹介しているケースでは、娘がネットオークションで、人形をおよそ3万円で落札しましたが、出品者から「銀行口座に代金を振り込んでくれれば、本日中に発送致します」と言われ、振り込みました。

しかし数日経っても人形は届かず、問い合わせたところ「このアカウントは現在使われておりません。」と連絡先が変えられていて、オークションサイト内であれば補償制度はありましたが、サイト外での取引だったことで、補償外となってしまったという例です。

■専門家が指摘する「4つの予防」

 フリマアプリ・ネットオークションの専門家である川崎さちえさんは、買う際の“4つの予防”が大切としています。

1つ目が「出品者の“評価”」です。マイナス評価がある場合は、なぜマイナスなのか、そのコメントをよく見て、過去に大きなトラブルがあれば購入しないようにとしています。 2つ目は「妥当な“値段”か」どうかです。定価や相場から大きく違うものは避け、ブランド品は値段だけでなく「シリアルナンバー」「ギャランティカード」があるかどうかにも注意が必要です。 3つ目は「周囲に“相談”」。“早い者勝ち”のため、つい焦って買ってしまいがちですが、家族や友人などに商品を客観的に見てもらうことで冷静に判断できます。サポートセンターに電話するのも1つの方法です。 4つ目は「“サイト内”で取引」することです。補償制度や、購入者の元に商品が届いてから初めて出品者に商品代金が支払われるシステムもあるため「代金が支払われない」「商品が届かない」といったトラブルを防ぐことができるとしています。 2024年3月22日放送