2024年1月、リニューアルオープンした愛知県東海市の喫茶店「チロル」は、名古屋めしの代表格「矢場とん」の味噌カツが提供され、話題になっています。 意外なところで食べられる「名古屋めし」はほかにもあります。愛知県発祥の人気カレーチェーン「ココイチ」の“モーニング”や大阪で人気を呼んだ「名古屋めし」のイベントを調べました。

■“名古屋めし専門家”も驚いた「ココイチのモーニング」

 名古屋めしの専門家として知られる「Swind(スウィンド)」さんが、様々な名古屋めしを食べる中で驚いたというのが「カレーハウスCoCo壱番屋」のモーニングです。

名古屋名物のモーニング、ホットサンドにドリンク・サラダ・ヨーグルトがついて580円で、2023年6月から名古屋駅の地下街にある「サンロード店」で始めたメニューです。

この店舗の隣にはココイチが手掛けるパンのお店「スパイスアップ!ココイチベーカリー」があるため、モーニングを始めたといいます。

「ココイチベーカリー」では、朝からパンを焼いて販売していて、食パンや総菜パンなどが並びます。焼き上げたパンを、隣にあるカレー専門店のココイチに運び、イートインで提供しているということです。 ホットサンドは、小倉ホットサンドやツナマヨ、ハムチーズと3種類から選ぶことができます。

また、厚切りトーストとクロワッサンのセットもあります。

展開するのがカレー専門店のココイチというだけあり、パンにはターメリックなど、カレーの定番スパイスを練り込んで焼いているといいます。

男性客: 「僕はツナマヨです。結構あっているなって印象です。朝ガッツリ食べたいという時もあるので助かるなという印象です」 別の男性客: 「食べてみたら結構おいしくて、気に入ったので、朝早く名古屋来た時はここでモーニングをとるようにしています」 Swindさん: 「ふわっとスパイスの香りがして、朝から食欲がわくようなパンになってました」 また、モーニングはプラス300円でカレー(ライス100グラム)を追加することもできます。

壱番屋の森下徹平さん: 「人通りが多い店舗ということもありまして、名駅サンロード店は朝早くから営業しております。(お客さんから)ご要望ありまして、モーニングを始めました」 モーニングは、多い日には50人ほどが利用するといい、朝8時から10時半まで食べることができます。

■大阪の百貨店を「名古屋めし」が席捲!?

 もうひとつ、Swindさんが驚いた「まさかのところに名古屋めし」が大阪の百貨店「阪神梅田本店」で行われたイベント“名古屋めし”物産展(※現在は終了しています)です。 Swindさん: 「名古屋めしの物産展は今まであまり聞いた事がない、それがしかも大阪で行われたってのがすごくびっくり。一番“名古屋めし”から遠い食文化で大丈夫だったのかなって」 2023年3月に初めて開催され、好評だったため2024年1月に2回目が行われました。

企画したのは阪神梅田本店の「食祭テラス企画」担当の服部さんで、100坪ほどのスペースで、毎週企画を変えて催事を行っているといいます。 服部さんは、生まれてから高校卒業まで名古屋で生活し、その後、京都に進学して大阪で就職しました。

「名古屋は何もない」と服部さんは思っていたそうですが、名古屋を離れたことで食のバラエティの豊かさに気づき、「名古屋の物産展はあまり聞いたことない」と企画したということです。

「私の愛する名古屋めし」をテーマにして開催に向け動き出しましたが、簡単にはいかなかったといいます。 関西の人には、時々「名古屋は何もない」と茶化されたほか、社内では「薄味文化の関西で名古屋の濃い味が受け入れられるのか」という心配の声が多数あがりました。しかし、熱意が伝わり、開催の許可がおりたということです。

2023年に行われた1回目は、手羽先の「風来坊」、味噌カツの「矢場とん」といった名古屋めしの名店のほか、“ケロトッツォ”が好評の「青柳総本家」も出店しました。

■一番人気はあの名古屋名物

 特に人気を呼んだのが「ぴよりん」で、朝4時から並ぶ人もいて、行列ができたといいます。 「ぴよりん」は、完成品を大阪に運ぶと形が崩れる恐れがあり、輸送段階でいわゆる「ぴよりんチャレンジ」はせず、パーツを別々に大阪まで運んで、会場で完成させるなどの工夫をして出店し、1回目、2回目ともに、予想を上回る売上を収めたということです。

阪神梅田本店では2025年の冬に第3回を予定しています。 2024年4月12日放送