映画の最高峰、アカデミー賞を受賞した宮崎駿監督の作品「君たちはどう生きるか」のオスカー像が、愛知県長久手市のジブリパークに展示されているニュースを見て、ふと思った。

宮崎駿監督のアニメーションのなかで一番印象に残っている、登場人物が美味しそうに食事をしているシーンだ。

とくに「天空の城ラピュタ」でのドーラがかぶり付く肉の塊や「ハウルの動く城」のベーコンエッグの朝食など…。

想像していたら、無性に肉が食べたくなってきた。

そういえば、肉界のアカデミー賞はどの肉なんだろうか?

そんなわけで、宮崎牛を現地取材・実食してきた

そんなわけで、牛肉界のアカデミー賞こと「全国和牛能力共進会」にて、最高賞の内閣総理大臣賞を史上初の4大会連続で受賞し続けている「宮崎牛」を現地取材・実食してきた。

そもそも「全国和牛能力共進会」とは、5年に1度開催され、通称「和牛のオリンピック」ともいわれ、日本各地の優秀な和牛が一堂に会し、その改良の成果や飼育管理技術を競う大会とのこと。

各部門の最高賞を「内閣総理大臣賞」とし、これを得て初めて日本一の称号を獲得することができるのだとか。

そこで、「宮崎牛」は4大会連続で日本一の座に輝いている名実ともに日本一の黒毛和牛だ。

宮崎牛のすごいところは、その「おいしさ日本一 宮崎牛」の実力が示す数々のファクトだ。

まずは、令和四年度のふるさと納税受入額に関して宮崎県都城市を全国一位に押し上げたのは「宮崎牛」。

さらには、WBC侍ジャパン宮崎キャンプにて「宮崎牛」が贈呈されるほか、アカデミー賞授賞式後のアフターパーティーでは、特定産地の和牛として「宮崎牛」が初めて採用されるなど、「おいしさ日本一 宮崎牛」は、日本を飛び出して、世界でも称賛される美味しさだ。

世界で認められる「宮崎牛」の味の秘密を探りに

では、世界で認められる宮崎牛の味の秘密はなんだろうか?

そのヒントを探りに、宮崎県串間市の畜産農家「稲本畜産」へ。

教えてくれたのは、稲本畜産の代表 稲本民雄さんと、宮崎県庁畜産振興課の原田晋平さん。

宮崎牛は、厳格な基準のもとに定義づけられている。まずは、宮崎生まれの宮崎育ちであること、そして肉質等級が最高品質のA4またはA5であること、さらに宮崎県内または指定された種雄牛が父牛であること。

まさに宮崎県一丸となって育てている「おいしさ日本一 宮崎牛」ブランドだ。

「シルキーで脂が乗った上質な肉質を持つ」

稲本畜産の稲本さんは、宮崎牛の高品質を保つ秘訣をこう話す。

「霧島山系のまろやかな軟水で飼育することが一つ目。宮崎特有の暖かな気候の中で飼育することが二つ目。

三つ目として、掃除や給餌、手入れはもちろんのこと、複数人の交代制で朝の3時から夜の8時までこまめに様子を見ながら牛の動作や表情から気持ちを察知して寄り添いながら世話することですね。

そうして手塩にかけて育てた牛たちは、すくすくと元気に育ち、シルキーで脂が乗った上質な肉質を持つようになります」

そんな宮崎牛をおいしく楽しめるお店を紹介

宮崎市の「宮崎観光ホテル」内にある「大淀河畔(おおよどかはん)みやちく」。県内で生産される牛と豚を中心に、国内外へブランド肉を発信している「ミヤチク」直営のレストラン。

こちらのレストランは、鉄板焼きステーキと焼肉が人気とのこと。

今回は、鉄板焼きステーキを調理のライブ感を楽しめるシェフズテーブルにて、宮崎牛の赤身肉ステーキをメインとしたコース「クラシック(赤身100g)」(3,980円)を実食。

鉄板の上でフランベされた肉は、食パンに乗せて提供される。こうすることで、余分な脂をパンが吸い取ってくれるらしい。そしてこの食パンはコース終盤にシュガートーストとして調理される。なんとも美味しくて興味深いサービスだ。

芳醇な和牛香が鼻腔いっぱいに広がって

さて、肝心の「宮崎牛」のお味は、一切れ口に入れると、芳醇な和牛香が鼻腔いっぱいに広がる。

普段、黒毛和牛を食べるとその脂でクドさを感じてしまうこともあるが、宮崎牛に至っては、口当たりもさっぱりしていて、もう一人前おかわりしたい気持ちにもなる。

宮崎県庁の原田さん曰く「宮崎牛にはオレイン酸がたくさん含まれているため、脂の融点が低くなり、牛肉を口に入れた時の口溶けが良くなる」と。

ステーキと一緒に提供される塩や特性ソースやガーリックチップなど色々と合わせて楽しむのもまた一興。

宮崎牛を堪能した。

多方面から注目を浴びている「宮崎牛」を今後ともチェックしたいところだ。

なんだか語り口調が長くなってしまったが、語ってしまいたいほどに美味しい「宮崎牛」をぜひ、ご賞味あれ!

◆大淀河畔みやちく
https://rest.miyachiku.jp/oyodo/