TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月〜金曜6:59〜)。「New global」のコーナーでは、日本でも受け入れ拡充を図っている国際的なリモートワーカー“デジタルノマド”について取り上げました。

◆世界中が求めている“デジタルノマド”

働く国や場所を選ばずITを活用しリモートワークで勤務する“デジタルノマド”は全世界に3,500万人以上いると言われ、IT人材が枯渇している昨今、各国制度を拡充し、熾烈な奪い合いとなっています。

そうしたなか、日本でも3月31日に外国人デジタルノマド向けに「特定活動」の在留資格を創設。これまでは観光客向けの在留資格は最大90日間でしたが、新制度では年収1,000万円以上であれば「特定活動」の在留資格として最大半年間の滞在が可能になりました。これによるメリットとしては、インバウンド増加による経済効果、さらにはデジタルノマド人材の交流によるイノベーションの促進があります。

この制度について、microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは「すごく素敵な制度」と手放しで喜び、「優秀なエンジニアが来てくれるのはありがたいし、これはチャンス。海外の優秀な人材を獲得するための入口としていいと思う」と期待を寄せます。

その背景にあるのはエンジニア不足で、「今は本当に大変。日本人だけでは絶対的に足りない」と渋谷さん。ただ、日本は大きな問題点を抱えており、それは“報酬”。この3〜4年で海外のエンジニアに対する給料は大幅に上昇していますが、日本は安価のまま。ゆえに「(日本は)観光資源で呼び込まないといけない。(呼び込んだ後に)経済成長をさせて、高いフィーを払えるようにしないと(日本も)地獄のようなIT後進国になってしまう」と警鐘を鳴らします。

◆いまや日本はデジタル後進国!?

現在、日本はデジタル競争力の面で世界に大きく遅れをとっています。IMD(国際経営開発研究所)による「世界のデジタル競争ランキング」では、1位がアメリカ、2位がオランダ、3位がシンガポール。韓国が6位に位置しているものの、日本は32位となっています。

また、現状では長期滞在可能な在留資格のある国と地域は50以上あり、各国でデジタルノマドの受け入れに関してさまざまな制度が設けられています。例えばエストニアは過去6ヵ月に最低4,500ユーロの月収が必要ですが、キャスターの堀潤曰く、実に多くの優遇策が受けられるとか。そして、スペインは最長5年間滞在可能で、タイに至っては最長10年間の滞在が可能です。

元裁判官で国際弁護士の八代英輝さんは、デジタルノマドの魅力のひとつとして「給料の源泉がその国になくてもいいところ」と指摘。その上で、「そのため韓国などが『世界のデジタル競争ランキング』で上位にあるのかなと思う。日本も円安の影響で賃金が多く出せないと言われているが、必ずしも日本が給料の源泉になる必要はなく、有能な方々が、いかに快適に仕事ができる環境を整えられるかが重要」と言います。そして、「日本はそうした分野は得意だと思うので、先に進んでいる国々の良い部分を学びつつ、日本はもっと観光資源や食などの魅力的なところを活かせば、ランキングも上に上がっていく余地はあると思う」とも。

一方、キャスターの豊崎由里絵は「これを機に、もしも(海外の方が)日本に永住しようかなと思ったときに、それをしっかりと受け入れることができる制度も整えておくべき」と注意を促します。

この意見に、渋谷さんも「外国人を受け入れないと日本の成長はない。ご飯がおいしい、安い、安全というところは日本の武器だと思うので、(それを活かして)優秀な人材を呼び込みつつ、その後も居てもらうための環境づくりが一番大事」と改めて主張していました。

※この番組の記事一覧を見る <番組概要>番組名:堀潤モーニングFLAG放送日時:毎週月〜金曜 6:59〜8:30 「エムキャス」でも同時配信キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/番組X(旧Twitter):@morning_flag番組Instagram:@morning_flag