第96回選抜高校野球大会第9日(28日)準々決勝第4試合は報徳学園(兵庫)が大阪桐蔭を4―1で下し、2年連続の4強入りを果たした。

 初回無死満塁から4番・斎藤(3年)の三遊間を破る適時打で先制。続く5番・安井(3年)の二ゴロの間にさらに1点追加した。1点差に迫られた8回の二死満塁から5番・安井の右前適時打と暴投で2点を追加し、大阪桐蔭を突き放した。

 投げては先発した最速150キロを誇る今朝丸(3年)が9回113球を投げ、5安打1失点無四球の完投勝利。188センチの長身から角度のある直球と変化球で強力打線を力でねじ伏せた。

 プロ注目右腕は「一番は体重を意識して増やして、そこからフォームを直すということを心がけました。(3番の)徳丸をストレートで三振取ったのがよかったです」と汗を拭った。

 大阪桐蔭には昨年のセンバツ準決勝でも勝っており、その時の勝ち投手も今朝丸。2年連続の〝本命狩り〟だが、昨秋の近畿大会準々決勝では3―4で負けている。殊勲の今朝丸は「秋のリベンジは果たせたかなと思います。秋を取り戻そうと強い気持ちで臨みました」と留飲を下げた。

 V候補筆頭の宿敵撃破に大角監督も感激だ。「近畿大会で非常に悔しい思いをしたのでホント、リベンジを果たせてよかったです」と興奮気味。今朝丸について「今まではいい球を放るだけのピッチャーでしたが、勝てる投手に成長してくれた」と目を細める指揮官は今朝丸の進歩を物語る登板前のやり取りを明かした。

 今朝丸に「俺は燃えているぞ」と伝えると「いや僕の方が燃えています」と力強い言葉が返ってきた。「やる気がみなぎっているな」。エースの快投を確信したという。

 大一番を制した報徳学園は30日の準決勝で中央学院(千葉)と対戦する。