パリ五輪アジア最終予選を兼ねるU―23アジアカップ(カタール)の初戦となった16日の中国戦で、ヒジ打ちにより一発退場となったDF西尾隆矢(22=C大阪)に対する批判が問題化している。

 日本は1―0とリードした前半17分に、西尾がボールのない場面で相手選手に左腕でヒジ打ち。これが相手の顔面にヒットしてその場に倒れ込んだ。ビデオアシスタントレフェリー(VAR)が介入して、主審がオンフィールドレビューを行った結果、西尾にはレッドカードが提示されて一発退場となった。

 それまで日本は圧倒的に押し込んでいたが、1人少ない状況になったことで流れは一変。格下の中国に猛攻を許す劣勢を強いられた。

 試合中から西尾に対してはネット上などで厳しい言葉が浴びせられたが、プレーの範ちゅうを超えた誹謗中傷へと深刻化している。

 西尾の公式SNSで投稿に対して、今回のプレーに対する批判が続出。一部の心ないファンからは、引退を迫るものや、人格を否定したり、いわれのない罵詈雑言などを浴びせるコメントまで寄せられている。

 森保ジャパンが8強で敗退したアジアカップ(1〜2月、カタール)でも、GK鈴木彩艶(シントトロイデン)への差別発言や、DF板倉滉(ボルシアMG)への誹謗中傷が問題化したばかり。パリ五輪を目指す若武者たちの戦いでも繰り返されることになってしまった。