〝メモリアルマッチ〟でプロの洗礼を浴びた。阪神・門別啓人投手(19)が、3日の巨人戦(東京ドーム)に今季初先発。この日は巨人球団創設90周年記念特別試合「長嶋茂雄DAY」として開催され、スタンドは満員のG党&虎党で埋め尽くされた。

 大注目を集める中、引き締まった表情で初回のマウンドに上がった高卒2年目左腕。「緊張はなかったんですが、追い込んだ時の力みがありました」といい、先頭・丸を中飛、増田を空振り三振に仕留め、上々の立ち上がりかと思われたが、突じょ制御不能に陥った。二死から吉川に二塁打、岡本和に四球を許し二死一、二塁のピンチを背負うと坂本、長野、小林、門脇に4連続適時打を浴びて、この回一挙4失点。

 さらに2回二死から吉川の打球は外野へのライナーとなったが、左翼・ノイジーがまさかの落球。打球が転がる間に、二塁まで進塁を許し、続く岡本和にはダメ押しの今季5号2ランを左翼席へ運ばれた。3回こそ無失点に抑えたが、3回75球を投げて6安打6失点(自責4)で無念の降板。

 試合後は「ファウルは取れていて良かったけど、コースに決め球が行かないと意味ないので。シュート回転をして中に入っていく球がありましたし、そういうところはまだ全然だなと思って。久々にこんなに打ち込まれたので、また頑張らなきゃいけないです」と反省しきりだった。

 岡田彰布監督(66)は「ええ経験になったんとちゃう?」としながら、「そろえすぎよな、コース狙うというかな。腕振らんとな、(相手は)低め狙い撃ちやんか」と顔をゆがめた。また、今後については「1回下で投げさす。青柳飛ばしてるからな。最初からそのつもりやった」とし、二軍で調整させることを明かした。
 
 チームは9回二死一、二塁から森下の適時打で3点差まで追い上げたが、序盤の大量失点が重くのしかかり5―8で敗れた。中止と引き分けを挟んで続いた連勝を3で止めたが、貯金5で首位は堅守した。