巨人・阿部慎之助監督(45)が2―1で勝利した4日の阪神戦(東京ドーム)後、延長10回に劇的なサヨナラ打を放った吉川尚輝内野手(29)に「宿題」を課した。

 悔しさを晴らす一打となった。1点ビハインド出迎えた8回に丸の適時打で試合を振り出しに戻した巨人だったが、なおも一死一、三塁と勝ち越しのチャンスで、打席には吉川。犠飛でも1点という場面で痛恨の捕邪飛を喫し、悔しげな表情を浮かべた。

 それでも1―1で迎えた延長10回一死満塁で打席に入った吉川は、島本が投じた2球目をうまくはじき返し、打球はセンター方向へ。値千金の一打を放ってサヨナラ勝利を決め、ナインからはウオーターシャワーで手荒く祝福された。

 首位・阪神を相手にうれしい連勝となった阿部巨人だが、指揮官は勝利の立役者へ辛口評価を下した。

「最後はたまたまだと思うけどね。最後は別に本塁打を打たなくてもいいところだしね。何か工夫が早めにできなかったから、前(8回)の打席で打てなかったんじゃないかなと見ているしね。見ている側は納得するというのもある。本塁打を30本以上打つなら何も言わないですよ」と、凡退に終わった8回の打席と、最終打席でマン振りとなった初球について苦言を呈した。

 それもすべては期待の裏返し。「持っている能力はもっとすごいんだから。もちろん最後に打って決めたのは素晴らしいですけど、人に見える工夫をもっとしてほしいなと思いますね」とゲキを飛ばした。