開幕まで3か月を切ったパリ五輪を前に、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が〝まさかのパフォーマンス〟に乗り出す可能性が浮上している。

 トライアスロンなどが行われる予定のセーヌ川は、慈善団体「サーフライダー」による最近の調査で安全基準を満たしておらず「潜在的な危険がある」と公表された。実際に大雨の際にあふれた下水の影響などで、昨年には五輪のテスト大会が中止となっている。

 ただ、パリ五輪・パラリンピック組織委員会のトニー・エスタンゲ会長は「大きな挑戦なのはわかっている。セーヌ川の使用が可能になると確信している」と前向きな姿勢を崩していない。3日にはあふれた下水をセーヌ川を迂回して下水処理場に流すための貯水施設を公開し、順調な準備ぶりをアピールした。

 さらに水質が良好であることを証明するために、フランスのエマニュエル・マクロン大統領やパリ市のアンヌ・イダルゴ市長はセーヌ川で泳ぐ意向を表明。バッハ会長も4日にドイツ通信社「DPA」などのインタビューで「招待状をまだ受け取っていないが、受け取ったら喜んでお受けする。寒すぎないことを願っている」と話すなど、セーヌ川での遊泳に意欲を示した。

 セーヌ川では1923年以降、遊泳が禁止されているが、マクロン大統領やバッハ会長は本気で泳ぐ気はあるのだろうか。