〝禁断のポーズ〟の意味は――。バルセロナ五輪柔道銀メダルの〝元暴走王〟小川直也氏(56)が、自身のユーチューブチャンネル「小川直也のハッスルch」を更新。6月20日から26日まで東京・京王百貨店新宿店で開催された、「超・燃える闘魂 アントニオ猪木展」を訪れた様子を公開した。

「超猪木展」では「アントニオ猪木酒場」も復活し、猪木さんと対戦経験のある弟子たちが猪木戦を振り返るトークショーも行われた。藤波辰爾、武藤敬司、蝶野正洋、藤原喜明のレジェンドに加え、同25日にはなぜか猪木さんと対戦経験のない小川氏が登場。1998年4月4日東京ドームの「猪木引退試合」ドン・フライ戦を〝猪木信者〟とともにビデオ観戦した。

 小川氏は同日の「猪木引退試合対戦相手決定トーナメント」決勝でフライに完敗を喫して猪木さんとの対戦を逃し、プロレスファンを大いに落胆させたはずだが…。動画では弟子で我孫子市議会議員の澤田敦士、猪木元気工場の宇田川強取締役の案内のもと、何ごともなかったかのように「超猪木展」の展示品を見て回った。

 さらにトークショーの終わりでは驚きの光景があった。小川氏は「最後にやりますか」というと、観客の求めに応じて「みなさん、『道』の精神で、この後の人生もハッスルしていくぞー!」と叫んで、「ハッスルポーズ」を披露したのだ。最後は亡き師匠に代わって「1、2、3、ダーッ!」で締めたが、猪木さんは「ハッスルポーズ」が大嫌いだったことで知られていた。

 プロレスイベント「ハッスル」の大ブームが起きていた2000年代中盤でさえ、猪木さんは「ケツを振る、品のないあのポーズは世界では通用しない!」とことあるごとに力説。強引な小川氏につられてポーズを取ったこともあったものの、燃える闘魂には〝禁断のポーズ〟だった。もちろん、ハッスルを批判することによって自身のプロレス哲学を際立たせる一面があったのは事実。とはいえ、功績を振り返る「超猪木展」で〝猪木信者〟らとともにハッスルポーズとは…。時がたつのは早いとしか言いようがない。

 1週間で約3万人の来場者が訪れ大盛況に終わった「超猪木展」に、小川氏は「やっぱりファンは温かい。これは猪木さんがファンを手のひらに載っけてきたからだよ。今も猪木さんの手のひらに載せられているんだ」と語った。小川氏自身もいまだに猪木さんの「掌(たなごころ)」に載っているのは間違いない。