青森県弘前市の文化こうりゅう事業実行委員会(委員長・桜田宏市長)は15日、同市の市民文化交流館ホールで「笑う太宰フェス」を開いた。お笑い芸人「笑い飯」の哲夫さんと「青森県住みます芸人」の北野ごぼうさん、弘前南高校視聴覚部の部員が、旧金木町(現五所川原市)出身の作家太宰治の人柄と太宰作品にちりばめられたユーモアについて語り合った。

 同委員会は1〜30日まで「太宰の國に浸がる旅」を開催しており、同フェスはメインイベントとして実施した。「太宰治の笑いをテーマにした座談会」では、哲夫さんと北野さん、同校の部員ら4人が、年表を見て太宰の生涯を振り返り、「これは知らなかった」「とても濃い人生」などと感想を言い合った。本名や出身地などのクイズにはユーモアを交えて答え、県内外から集まった約100人の太宰ファンを沸かせた。進行台本の原案は同校の部員らが作成した。

 同校3年で視聴覚部員の神さくらさんは「とても楽しい時間だった。お客さんが笑っている顔が見られて良かった」と喜びを語った。

 同日はこのほか、弘前大学の演劇サークル「劇団プランクスター」によるドラマリーディング「マッドメロス〜激怒のデスロード〜」や、コントなどを行うエンターテインメント集団「弘前笑会withG」が太宰治と青森県の偉人をテーマに、太宰作品のショートコントを交えたトークショーを行った。

 同フェスは16日も開催。太宰の代表作「走れメロス」を津軽弁に訳した「走(は)っけろメロス」を、津軽弁朗読家の鎌田紳爾さんらが朗読するほか、「太宰作品とユーモアについて」のパネルディスカッションなどを行う。