コスタボニータ(手前)が差し切りV
コスタボニータ(手前)が差し切りV

福島牝馬ステークス2024

[GⅢ福島牝馬ステークス=2024年4月20日(土曜)4歳上、福島競馬場・芝1800メートル]

 20日の福島11R・GⅢ福島牝馬S(芝1800メートル)は、岩田望騎乗で1番人気のコスタボニータ(牝5・杉山佳)が好位追走から直線で鋭く伸びて優勝。うれしい重賞初制覇でGⅠヴィクトリアマイル(5月12日=東京芝1600メートル)の優先出走権を手にした。勝ち時計は1分46秒9(良)。

 今開催は競馬開催日にほとんど雨が降らず、開催最終週でも芝は良好な馬場状態。勝ったコスタボニータは絶好の最内1番枠から好位追走で脚をため、直線では一旦内を狙って進路が狭くなったが、すぐさま外に切り返して2着フィールシンパシーをクビ差捕らえたところがゴールだった。

 岩田望は「スムーズではなかったけど最後にいい脚を使ってくれた。1週前追い切りに乗せてもらって、今日の返し馬ととてもいい雰囲気でレースに臨めた。内が有利な馬場だと分かっていたし、金曜(19日)に枠順が出た際に〝いい勝負ができる〟と思った。直線で外に出した時は2着かなと思ったけど、最後の1ハロンで馬が頑張ってくれました。レースセンスがとてもいいし、一瞬の脚に素晴らしいものがある」と初コンビでの会心の騎乗を振り返った。

 これまで重賞は計3度の3着が最高着順。杉山佳調教師は「(直線で進路が)詰まって2着だと分かりながらも〝差し切ってくれ〟と叫んでいました(笑い)。短いようで長い直線でしたね。これまでは流れに乗りすぎてスローにハマったり、ハイペースについて行ってしまったりでかみ合わなかっただけ。〝1番人気は勝てない〟と聞いていたのでそこだけが心配でしたが、うまく(岩田)望来君がスポット参戦でも乗ってくれました。(進路が詰まって)逆に脚がたまったのかもしれませんし、切り替えのうまさはさすがでしたね」と喜びを語った。

 優先出走権を獲得したヴィクトリアマイルについて「来週、馬の状態を確認してからになりますが、行けるなら行きたいですね。ただ、この馬は道悪のイスラボニータ産駒。(GⅠになると)良馬場では太刀打ちできないので、雨が降ることを願います」と〝杉山節〟で締めくくった。

著者:東スポ競馬編集部