驚がく時計で快勝したタイキフォーチュン
驚がく時計で快勝したタイキフォーチュン

【記者が振り返る懐かしのベストレース】NHKマイルCが新設されてからの数年間は、まさに〝マル外ダービー〟の異名通り、中身の濃い、迫力あるレースが展開されていた。

 中でも第1回は初めてということもあって、強烈な印象が残っている。フルゲート18頭に14頭の外国産馬が集結。その頂点に立ったのがタイキフォーチュンだった。快速バンブーピノがスタートから飛ばしに飛ばして前半の4ハロンは45秒1。案の定、最後の直線は前後がきれいに入れ替わり、追い込み勢が台頭。タイキフォーチュンが力強い脚どりで抜け出した。

 鮮やかなレースぶりはもちろん、その勝ちタイムにも驚かされた。何と1分32秒6…。ちょうど6年前の安田記念でオグリキャップがマークした不滅?のコースレコードに0秒2まで迫ったのだ。2002年までの旧コースで言えば、断然のレースレコードであり、トータルでもオグリに次ぐナンバー2の好記録だった。

 ただ、この激走の代償はあまりにも大きかった。その後、タイキは輝きを取り戻すことなく97年のジャパンCを最後に引退。それだけに、NHKマイルCでの雄姿は深く人々の記憶に刻まれることになった。(2010年5月5日付東京スポーツ掲載)

【1996年・NHKマイルカップ】タイキフォーチュン驚愕のV時計!18頭中14頭が外国産馬 懐かしき「マル外ダービー」

著者:東スポ競馬編集部