透明点字シート付絵本の制作、貸し出しを行っているユニリーフ(葉山町/大下利栄子代表)が、目の見えない人も建物の形状を体感できる「触れる模型」の制作にむけ活動している。鎌倉市の建長寺の協力を得て、国の重要文化財でもある仏殿の50分1スケールのブロンズ模型を制作し、同寺境内へ設置する。模型製作には多額の費用が掛かるため、クラウドファンディング(CF)にも挑戦。6月1日(木)から支援の受け付けが始まる。

大下さんは視覚障害のある娘と旅行した際に、娘が建物や景色を感じられないことから、同じ感動を共有できないことに寂しさを感じていた。8年前、ポルトガルを訪れた時に世界遺産「ベレンの塔」の前に置かれた触れるブロンズ模型を目にし、「これなら一緒に触れて思い出を共有できる」と確信。「日本にも同様のものを」という思いを強くした。時がたち、コロナ禍で色々な活動が制約されるなか、時間ができた事で「夢」の実現に動き出した。

大下さんの思いに鎌倉市の担当者が共感し、建長寺を紹介。大下さんから「視覚障害のある人は寺に参拝に来ても理解できるものがない」という話を聞いた建長寺の森裕行内務部長は、「これまで寺として目の見えない人たちに心を寄せられていなかった」と実感したという。「模型をきっかけにユニバーサルな境内にしていきたい。視覚障害のある方だけでなく、見える人にも触れていただき、交流の場になれば」と期待する。

大下さんは「多くの方が共感してくださり、ご協力いただけたことが本当にうれしい」と感謝を口にする。

クラウドファンディングの目標金額は500万円。集まった資金はブロンズ模型の制作・設置費用、周辺費用の一部に充てられる。支援・詳細は「さわる模型レディーフォー」で検索。