古谷田力市長は、大和市議会(小倉隆夫議長)第2回定例会初日の1日、就任後初となる所信表明演説を行い、「『ウェルビーイング』が実感できる大和市をめざす」と意気込みを述べ、その実現に向けた方策を示した。

古谷田市長は、社会的にも幸せな状態である「ウェルビーイング」を実感できる大和市にむけ、まず「新たな市役所の扉を開く」必要性を強調した。そのための方策として、▽市民の声を聞き、政策につなげる新たな広聴部署の創設、▽現在進められている約1千の事業に対し、市職員が第三者の視点で再確認し、ボトムアップによる検証を行う、▽広域連携の必要性を研究―の3点を掲げ、市民や市職員に傾聴し他自治体と協調する姿勢を打ち出した。

生活の向上へ4分野に着手

さらに、市民生活の充実と向上にむけた主要施策として、▽協定締結などによる横の連携強化、個別避難計画の作成などによる「災害に強いまちづくり」、▽自然の中における「レジリエンス教育」を取り入れた「未来を担う子どもたちに関する政策」、▽市役所の縦・横の連携による「断らない相談窓口」設置をはじめとする「福祉政策」、▽新たなイベント開催、市内商工業者への積極的支援、創業・第二創業など新たなチャレンジの応援、アマチュアからトップアスリートまで幅広いスポーツ振興による「地域経済の活性化」―の4分野に着手する方針を示した。

「市民の、市民による、市民のための大和市政」と米大統領の言葉になぞらえ、市民が主役の市政をめざす意向を示した古谷田市長。演説の結びに「市民の生命を守り、安全、安心な暮らしを提供することは、地方自治体の使命」と述べ、「新たな大和市づくり」に理解と協力を求めた。

補正予算案に「肝いり事業」

同日の定例会では、総額19億627万円の一般会計の補正予算案が上程された。

主な事業として、エネルギー価格高騰の影響を受ける市内事業者に、省エネ設備導入や中小企業診断士によるコンサルティング費用などを支援するため3796万円を計上。物価高騰の影響を受ける障害者施設や介護施設など社会福祉施設に光熱費や燃料費、食材費を支援する事業に5904万円を盛り込んだ。

財政課によると、これら2つの事業は、古谷田市長が就任後、2週間ほどで予算編成に着手した「肝いり事業」という。

ほかにも、新型コロナワクチン接種事業に8億1660万円、再生可能エネルギーの促進事業で1825万円、市内事業者の売上増加と市民生活支援に向けた「また来てねクーポン券」発行事業に5290万円を計上。補正後の一般会計の総額は871億9883万円となる見込み。

定例会は6月27日の最終日に採決などを予定。