大磯町の六所神社(国府本郷)で3月17日、神奈川県の無形民俗文化財に指定されている国府祭(こうのまち)(5月5日開催)の準備が行われた。中丸、馬場、新宿の氏子ら約30人が集まり、国府祭で使用する「ちまき」を作るための稲わらの芯「みご」を手作業で取った。

国府祭は、1300年ほど前、奈良・平安の頃に、相模国の行政長にあたる国司が天下泰平と五穀豊穣を神に祈ったのが、祭の始まりといわれている。寒川神社(寒川町)、川勾神社(二宮町)、比々多神社(伊勢原市)、前鳥神社と平塚八幡宮(平塚市)、総社の六所神社(大磯町)が5月5日に大磯に参集し、国府地区の神揃山や逢親場(馬場公園)、六所神社でさまざまな神事を執り行う。

当日、氏子らは桜の名所としても知られる神揃山の草刈りをした後、六所神社境内でみご取りを実施。国府本郷の田んぼで収穫された稲わらを使い、節の上を切ってから、穂先につながる一本を引き抜いた。

宮総代の吉川京男代表は「当番地区は中丸だけど、新宿、馬場の皆さんも来てくれた。晴れて良かった」と話していた。