三浦の食文化向上を願うイベント「第36回食の神フェスティバル」が、4月22日に三崎の海南神社で開かれた。手を触れることなく、箸と包丁だけで魚をさばく神事「包丁式」が披露された。

第12代景行天皇が三浦半島から安房・上総へ巡行した際に、料理番を務めた磐鹿六雁命(いわかむつかりのみこと)を「食の神」として祀ったことから、料理人らを中心に信仰を集める行事。境内にある相州海南高家神社では長年の努めを終えた包丁に感謝を捧げる包丁供養祭が、神楽殿では平安時代から伝わる古式にのっとった包丁式などがそれぞれ執り行われた。

包丁人を務めたのは、「割烹宗㐂(むねよし)」(城山町)の青木康久さん。四条古流家元の倉橋柏山さんのもとで修業した華麗な包丁さばきで長井水産(横須賀市)から提供された重さ7・1kgのメジマグロを切り分けると、観衆から拍手が送られた。