会員の高齢化や役職者の担い手不足などの影響により市内の単位老人クラブが減少傾向にある中で、昨年発足して以降、盛んに活動を続けているクラブがある。

多摩区老人クラブ連合会(老連)に所属する「多摩生きがいクラブ」(井口睦康会長)は、多摩区中野島を拠点に活動する老人クラブ。会員は34人で、昨年10月の発足時から3人増えた。

通常、単位クラブは居住地域を基盤に構成されているが、同クラブ会員の共通項は「囲碁」だ。もともと川崎市多摩老人福祉センターでそれぞれ囲碁を打っていた人たちが「自分たちが楽しむだけでなく地域の高齢者と生きがいを共有しよう」と意気投合。老人クラブの取り組みの一つである「友愛」の考えを取り入れた活動を標榜し、中野島地区老連の下部組織として単位クラブを立ち上げた。

活動は週3日、同センターで2時間半ほどの対局に興じる。加えて月2回、地域の老人ホームへボランティア活動に出向き、入居者と共に囲碁のほか、将棋やトランプなどを楽しむ。施設側からも「入居者との年齢差が近く、すぐに溶け込んで楽しそう」と好評だという。「体が不自由だったり寝たきりだったりする人たちに対しても生きがいづくりのお手伝いができれば」と井口会長は思いを語る。

中野島地区老連の田村弘志会長は「区内各地から人が参加する新しいタイプの老人クラブ。単位クラブが減少傾向にある中、今後に注目している。友愛活動としてのボランティアにも特色があり応援したい」と期待する。井口会長は「囲碁は脳の血流を良くするとされ、認知症予防にもつながる。興味がある人はぜひご参加いただければ」と話している。問い合わせは井口会長【携帯電話】090・2435・9615。