横浜市立学校で今年度から、学校と家庭間の連絡に全校統一のアプリを活用した新システムが導入された。欠席連絡や文書の配布などをアプリで行うことで、保護者や教職員の負担軽減や連絡の効率化を図る。

これまで市立学校と家庭との連絡手段は、学校ごとに別々のシステムを採用。電話連絡が基本の学校があれば、個別で有料・無料のアプリを使っている場合もあった。

電話の場合は体調不良などによる欠席連絡を朝の忙しい時間帯にする必要があり、保護者から負担を感じるという声も。また、有料のアプリはPTAなどによる費用負担があるほか、きょうだいで異なる学校に通う際はシステムを使い分ける不便さなどが生じていた。

保護者、教職員の負担減へ

そこで、市教育委員会は、保護者の負担軽減や利便性向上を目的に全校統一の新システム導入を決めた。新システムは、バイザー(株)=愛知県=の専用アプリ「すぐーる」を活用。家庭からの欠席・遅刻などの連絡や学校からの文書の電子配信、保護者向けのアンケートといった機能を備え、13言語の自動翻訳にも対応する。

対象は市立小・中・義務教育学校、高校、特別支援学校全505校。市教委によると一部で以前のシステムを継続している学校もあるが、市立校の約9割が今年度から新システムに移行しているという。市教委担当者は「視覚的に分かりやすく、操作性も含めて好評の声が多い。保護者や教職員の利便性が高まるように、各校での活用法などを共有していく」と話す。

統一システムには、学校側にもメリットがある。どの学校でも同じアプリを使えるため、教職員が異動時に別のシステムを覚え直すことが不要に。また、紙の配布物を電子化して配信することで、印刷や配布の手間を省くことにもつながる。

岡村小学校=磯子区=では、昨年12月の試験運用段階から新システムの運用を始めた。教職員の一人は「配信だと同じ時間に同じ情報を届けられる。児童が間に入らないので、連絡事項や配布物が直接保護者に届きやすいと思う」と話した。